▼第1話/母▼第2話/思い描く▼第3話/日本語▼第4話/飛行機▼第5話/鉛筆▼第6話/相川先生▼第7話/荒城の月●主な登場人物/陳 昌鉉(後の名バイオリン職人。幼少の頃はひ弱だったが、何でも器用に作り出す少年)、大善(昌鉉の母。息子を何よりも愛する人)●あらすじ/「東洋のストラディヴァリウス」と称されるバイオリンを、たった一人で作り上げた男・陳 昌鉉。1929年、彼は当時日本の支配下にあった朝鮮半島で産声をあげた。母・大善にとっては、十年待ち望んでやっと生まれた子供だったが、母乳が出ないため、昌鉉は栄養失調でやせ細っていった。思い悩んだ母は、山を越えて隣村へ“もらい乳”に行くが…(第1話)。●本巻の特徴/日本統治下の朝鮮半島で、母の愛に守られて伸びやかに育つ昌鉉少年。やがて、人生を左右することになる相川先生との出会いが…。●その他の登場人物/相川先生(昌鉉の家に下宿している日本人教師。昌鉉の担任)、成哲(何かと昌鉉につっかかる近所の悪ガキ)
天上の弦のレビューが0 件あります
レビューを投稿する6件のネット上の評価があります
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100
amazon
世界的に有名なバイオリン製作者陳昌鉉氏の半生を描いた『天上の弦』も第8巻までやってきました。人間の哀しみと優しさが一杯詰まった本作品に惹きこまれながら読み進んできたわけです。感動秘話とはこのような人のお話のことか、と思わされる逸話が散りばめられています。篠崎弘嗣先生との出会い、そして桐朋学園での子供用バイオリン製作によって陳昌鉉氏の暮らし向きが少しずつ安定します。韓国の国家を作曲した安益泰先生との出会いとその思いを安先生に母への言付けを託す場面のなど涙無くしては読めません。感涙とはこのことです。人間として一番大切なことをコミックから学んでいるようです。3000円のバイオリンで芸大を合格した青年の話も感動的ですし、バイオリン作成の秘伝とも言うべき「ニス」へのこだわりと探求や、オリジナル・ニスの解明のため、外国文献を読み、バルサムを確保した話もまたその苦労が忍ばれる挿話でした。山本おさむ氏の愛情を感じる作品で、陳昌鉉さんの感情が乗り移ったかのような絵とストーリーですから毎回深い感銘を得ています。章立ては、第61話:上を向いて、第62話:母の面影、第63話:釜山より、第64話:嵐の日、第65話:ニス、第66話:伝説、第67話:母の来た道、第68話:連絡船、第69話:母の船、です。陳昌鉉さんが、世界的なバイオリン製作者となりえたのは、苦しみにもめげずに必死に生き続け、人生の辛酸を尊い音色に紡ぎ出すことへと昇華したことによるものでしょうし、それゆえ苦労の人生が稀有なヒューマン・ドラマとなりえたと思います。
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100
amazon
日韓友好のために、本当に必要な本はこういうものなのかも。日本人には、ひどい差別主義者や、威張るばかりのオッサンたちとともに、澄んだ瞳の素晴らしい教師や、エラソーなヒゲを生やしても人の良さの隠し切れない巡査、そして主人公の才能をいち早く認め、後ろ盾になってくれる人々などが出てくる。朝鮮人には、超サイテーなオヤジや、コウモリ野郎とともに素晴らしい母や逞しい友、才気あふれる音楽家、そして、主人公の妻になる聡明でしとやかな女性などが出てくる。職人一代記としてのこの話は本当に面白く、私の意見はわき道である。けれども、朝鮮の話になったときに、日本を悪玉にして大いに喜ぶ人々や、エラの張ったネコの絵を用いネットで「おまいらチョソへ帰るニダ」と盛り上がる人々を見ていると、「人間関係見るだけでいいから、この作品を読め」といいたくなる。
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100
cmoa
「東洋のストラディバリ」とも称される、バイオリン制作者の陳 昌鉉さんの半生を描いた作品です。
バイオリンに詳しい人ならもちろん、全く知識が無い人でも楽しめます。
いろいろな人達との出会いをきっかけにバイオリン作りに傾倒し、世界的なバイオリン制作者になられた陳さんですが、そこに至るまでの戦争や飢餓などの様々な苦難が描かれており、バイオリンに詳しくない私には、そちらのほうがとても印象に残りました。 -
100
cmoa
【このレビューはネタバレを含みます】 趣味程度にバイオリンを嗜んでいるので、興味本位で読んでみたら、ハマりました。実際にいらっしゃる方の半生を描いた作品。どんな逆境に合おうと、何を捨てても夢への情熱を燃やし続けられる人が夢を掴む事ができるんだろうなと思いました。ご本人にぜひお会いしたかった。。
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60
manga_review
すばらしい! 一言。
細かい描写まで行き届いていますし、その時代背景を朝鮮の立場から嫌味なく描き表してあります。
何より物語の構成がうまく出来ているんです。
感情の現し方には少々の不満はありますが、それでも心理として面白かったです。 -
100
cmoa
努力に勝る天才なし。これだけの根性があれば何をやってもいずれは成功する?よく挫折しないで人生を過ごせたものだ。内容は非常に面白くて息をつかせないほどです。
ネット上のイメージ
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