七色いんこは芝居の代役ばかりを務める役者だが、そのすばらしい演技に、観衆も熱狂した。しかしその正体は、千里万里子刑事が逮捕しようとしている怪盗だった!!「ハムレット」を始め、演劇の名作を題材にした連作・第一弾。
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レビューを投稿する26件のネット上の評価があります
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sakuhindb
81〜82年に週刊少年チャンピオンで連載された手塚治虫先生の演劇漫画。とある劇場で大スター`大手上'がアメリカ旅行に出かけた為、代役を立てて稽古。明日のぎりぎりの帰国で明後日なんとか「ハムレット」の本番をという時に麻薬の運び屋としてFBIに逮捕され帰国できないことに。代役も不慮の事故で怪我。絶体絶命に陥った大演出家にあちこちの劇団からの噂として全くの素人ながらすごい芸の力の持ち主で熱狂的にうけるという代役専門の“七色いんこ"という男の話が持ち上がる。そしてハガキで依頼を頼むと劇場に小柄なしょぼくれた田舎風な老人が現れ、“七色いんこ"だと名乗る。そして彼が老人の変装を取り去ると下からは大手上のハムレットの顔が。これもまた彼の素顔ではなくメーキャップのひとつだという。初日まで18時間で、新演出を叩き込んでもらうといんこは稽古の舞台に上がる。ハムレットの台詞・演技、それらを完璧にやりこなしていく。それを見て「使えるも何もあいつの芝居はホンモノだ!!」「あんなのが隠れた役者として今まで世に知られてなかったなんて。一体今まで日本の演劇はなにをしとったんだろう」と感心する。しかも出演料はいらない。ただ劇場で何が起ころうと見ないフリをしろというのが彼の出演の条件だった。世紀の名優にして大泥棒、それが“七色いんこ"の正体だったのだ。一方、VIPのSPを目指し特訓を続ける武闘派の女性刑事“千里万里子"は七色いんこ警戒の応援を指示される。稽古中のいんこに搦み、フェンシングの剣で彼と決闘紛いなことを、そしてなぜかいんこと至近距離で顔を見合わせると、経験したことのない胸のざわつきを感じてしまう。そして初日。財界のキング“鍬潟隆介"も高価な装飾品を身に纏った愛人を連れやってくる。舞台のいんこの代役は第一幕終了から客席に凄まじい拍手を呼ぶ。いんこは第二幕の台詞を勝手に鍬潟に当て擦るような内容に変え、彼に向かって投げかけます。立腹して席を立つ鍬潟。熱狂のまま幕は降ります。鍬潟には`陽介'という演劇好きの息子がいたが、中学3年生のときに父を憎んで家出したといい、千里刑事はいんこがその息子だと睨む。「おれはただの芝居ずきのドロボーさ。好きな芝居をさせてもらって、それなりの見返りをもらう男だよ」と否定するいんこ。代役の舞台と泥棒を続けるいんこと、尻尾をつかもうと追う千里刑事の物語が始まる。本作品は手塚治虫先生が舞台と泥棒を題材としたドラマとして描いたもので、演劇愛に溢れた手塚先生の傑作として仕上がってます。代役専門の舞台役者であり泥棒でもある“七色いんこ"と、彼を追う女刑事“千里万里子"が織りなす、一話完結型の寸劇集となっており、内容として既存の舞台や小説等に沿ったものが多く、メタ的・楽屋落ち的な話も多い。作風は「ある目的の為に動く、アウトローの天才プロフェッショナル」が主人公と言う点で『ブラック・ジャック』『ミッドナイト』等と似ています。主役の“七色いんこ"は老若男女どんな役でもこなす代役専門の舞台俳優で、卓越した変装と声色の技術を持っており、客のみならず有名演出家や一流の女優を唸らせるほどの演技力を持つ。セリフの記憶力も非常に高く、当日ギリギリの依頼でも難なく引き受ける。しかし観客を熱狂させる名優というのは彼の一面で、その本業は泥棒。舞台に立つ際には出演料を貰わない代わりに、その変装術を活かして劇場内にやって来る金持ちから宝石類などの金品を盗む。演劇の際以外にも、金持ちぶりを振りまいている人間を騙すなどしてしばしば盗みを働いている。本人に言わせると「モノマネがうまい素人役者、そしてドロボー」。盗みをする理由は「かつて演劇が大道芸だった頃は見物人の中の金持ちが気前よくお金を払い、貧乏人はお金を払わなくても黙認されていた、かつての美習を踏襲した」という事だが、実際には演劇とは全く関係無く盗みをする場合も多い。演技をしていない時は青みがかった緑色のおかっぱのカツラとサングラスで変装しているが、これはカツラの裏に変装道具を隠しているためである。また有名な劇場などには必ずと言っていいほど変装道具を隠している。よく懐いた手乗りインコを飼っている他、ある事件を切っ掛けに犬の`玉サブロー'と一緒に暮らしている。いんこを追う女刑事“千里万里子"は女性警官として強い責任感のある行動派刑事で、射撃大会などで成績を残し既に相当の名を上げていた。腕っ節は非常に強く、女らしい服装や言動は好まず、怒るとすぐに手が出る。演劇や恋愛を好む奴はひ弱な奴だと言って馬鹿にしていたせいか、あまり教養は無い。鳥に強烈なアレルギーを持っており、鳥の姿を見たり声を聞いたりすると蕁麻疹が出て身体が三頭身ほどの子供じみた体格に縮んでしまう。種類を問わずあらゆる鳥に拒否反応を起こし、挙句にフライドチキンまでにも反応する。また東京都心でカラスの群れに出くわした際には達磨のような体型にまで縮んでしまったこともある。鳥から離れた上で体を洗うか、一定時間が経過すると元に戻る。いんこを追っているもののその一方で好意を抱いていて、本人は否定するものの実際は彼に会いたがっている。いんこに危機が訪れた際には本気で心配し、いんこがラブシーンを演じた際には嫉妬したこともある。いんこに飼われている白い小型犬`玉サブロー'は元演劇界の重鎮の飼い犬で、芸を仕込まれた為、犬を超越した演技力や知能・身体能力を持つ。二足歩行を行い、人間の子供に変装したこともある。いんこに連れられて盗みの手伝いをすることもある。酒好きで頻繁に酔っ払っていることもあって、よく流し目を送ったりつぶらな目をトロンとさせているのが特徴。日本の政財界の首領`鍬潟隆介'は表向きはいくつもの会社を経営するビジネスマンだが、裏では際どい事をちょくちょく行っており、その為黒い噂も絶えない。`陽介'という息子がいたが行方不明。なぜかいんこの敵対心の対象となっている。ストーリーは代役専門の天才役者にして泥棒という異色のキャラクター“七色いんこ"を主人公にした犯罪活劇で、観客から盗みを働くのを劇場と劇団が見逃すことを条件にどんな代役でも引き受けて見事に演じ除け、そんな彼に恋心を抱きつつも彼を捕えようと追い回すのが女刑事の“千里万里子"で、そこにいんこにも劣らぬ演技力を持つ犬の`玉サブロー'が絡んで、世界を舞台に数々の演劇を繰りこなすというもので、演劇通の手塚先生ならではの作品としてシェークスピアから歌舞伎まで様々な演劇を掻い摘んで紹介しながら展開していきます。 手塚先生は演劇通であると同時に大の映画ファンでもあるため、取り上げられる演劇は映画化されているものも多く、第1話「ハムレット」に出てくるローレンス・オリビエとかジョン・ギルグッドといった名前も、日本ではシェークスピア演劇の役者としてより数々の映画の名優として知られた存在でした。内容は1話完結形式で“七色いんこ"が“千里刑事"やオカマ犬の`玉サブロー'と共に世界を飛び回り、各話ごとに有名な演劇をモチーフにした事件が起きるのを解決していくというのが基本的になっています。いんこはさまざまの舞台の代役に立ちます。その周りにある人間模様。代役は舞台上の役とは限らず、死んだ元首相になりきり幽霊として代役を務める「修善寺物語」・大やけどを負った裏社会の一族の長男になりすます「検察官」・美術館まで盗みのためのトンネル掘り、その“入り口"の家の父になりすまし娘と二人暮らしする「俺たちは天使じゃない」等、殆どの回が有名な芝居がタイトルとなっています。その演目をいんこが演じている話のときも演じてない話の時もありますが、単にいんこの舞台がその演目というだけでなく、元の芝居と話自体がリンクしています。そんな中隠された設定が次第に明らかになっていきます。「じゃじゃ馬ならし」では千里刑事が父親の紹介で`男谷マモル'という人物と見合いをすることになり、いんこの尾行を口実に逃げますが、ラストシーンでいんこが実は`男谷マモル'だとわかる。更にひき逃げ事件を起こす謎の青い車を追う「青い鳥」では、その車に乗っていた男谷マモル(実は人形)が「ハムレット」に登場した大財閥の“鍬方隆介"の家出した息子“鍬方陽介"と判明。そして最終回「終幕」で総ての事実が判明します。それはいんこのアジトを突き止めた千里刑事がそこで見つけたいんこの半生が綴られた一冊の日記に記されていた。大財閥の“鍬方隆介"の息子として生まれた“鍬方陽介"は幼い頃に母親を亡くしてしまう。金の亡者で嘘つきの父親と冷たい母親の間で育った陽介にとって唯一の楽しみは、ある空家に隠された衣装と化粧道具で他人を演じる事だった。ある時は不良少年になったり、老人に変装して父の運転手に道を聞いたりと演技力を磨いていく。そして自分を虐めた同級生に少女の格好で近づき、喧嘩して自殺したように見せかけてショックを与え、唯一の友達だったインコを殺し、隠してた衣装を焼いたサディストの女家庭教師に対しては車に家庭教師のムチを引っ張らせて追い出す。孤独なまま中学生になった陽介はある日一人の少女に出会う。`朝霞モモ子'というその子と演劇の話で打ち解けあい恋をする。しかし新聞記者である彼女の父親は、陽介の父の悪事を暴こうとしていた。父の手下にモモ子たちの命が狙われたところを陽介は助けるが、モモ子は家族と車で逃げる途中鳶の大群に襲われ崖から転落、海に消える。それを知った陽介は父を問い詰めるが、無理矢理アメリカへ留学させられる。アメリカに着いた陽介は一文無しで逃走、ニューヨークのハーレムで凍死しかけたところをピエロの格好をした芸人の`トミー'に助けられる。トミーの天才的な芸を見た陽介は彼に弟子入り、演技の指導を受け相棒として成長していく。だがやがてそれまでNYの小さな劇場でしか公演しなかったトミーが突然シカゴの大劇場で公演をする事を決める。かつて女子供まで殺し、良心の呵責とベトナム人の組織に狙われ、素顔を隠し生きる事になったトミーだったが、復讐という形で新作のベトナム戦争の風刺劇をする。鬼気せまるパントマイムで観客に訴えるトミーは、ラストに劇場のオーナーで戦争の商人で軍事企業の社長でもある男に向かいワイヤーで宙を飛び、銃を向ける。恐怖におびえるオーナーに対して引き金をひくと空砲と共に花びらが飛び出し、客席に舞ってゆく。拍手とブラボーの歓声の中舞台は幕を閉じるが、トミーは陽介を連れて劇場から逃げる。なぜ堂々と告発しないのかを聞く陽介にトミーは「役者には役者のやり方がある」といい、その時オーナーが雇った殺し屋のトラックが二人の乗る車を襲撃、河に落ちたトミーはカツラとメイクが取れてしまう。素顔がばれベトナム人の組織に捕まり殺される直前にトミーは陽介に「時によって芝居は武器になるんだ 小説家がペンで悪事を暴くように役者はステージの上で戦うんだ」と言い残して逝く。トミーの死に、トミーのカツラと舞台で使ったマスクで素顔を隠し“七色いんこ"と名乗った陽介は、世界中に変装道具を置いた隠れ家を作り、鍬方隆介への復讐のため金持ちから金品を盗む怪盗になる。日本に帰ったいんこを待っていたのはモモ子があの事故から唯一生き残っていた事実を知る。素顔のままモモ子の叔父で養父になった人物に会い、モモ子が記憶喪失になった事を聞き、いんこは変装して彼女と再会する、モモ子は高校に入ってスケバンになり、事故の恐怖で鳥を見ると当時の体型に戻ってしまうようになっていた。事故を思い出させないために彼女は養父の千里刑事部長から“万里子"という新しい名前を付けられた。そこを読んで事実を知った千里刑事はそこに現れたいんこと共に、車で事故の現場に向かう。事故を再現するために鳶の大群を呼び、万里子は恐怖の中で記憶を取り戻す。そしてカツラとマスクを取って素顔を見せるいんこに抱きつき「陽介くん!」と呼ぶ。いんこは近くにすむ鷹匠の老人を脅し、金をもらって鳶に車を襲わせた事を聞き出す。そしてその男が鍬方の秘書だったことを突き止め、新聞に新聞記者を殺した鍬方隆介の今までの悪事を暴く」と言う事故の真相を劇場公開すると載せる。秘書は新聞を持ち慌てて鍬方に会いに行く。いんこの正体が自分の息子と知らない隆介は、秘書にどんな手を使っても阻止するよう命じる。劇場でトミーの衣装を着て舞台の袖に立ついんこに、万里子は劇場に刑事を張り込ませていて何が起きても大丈夫だと告げる。泣きながら見送る万里子を残し満員の拍手の中へ歩き出すいんこ。いんこ自身による最初で最後の舞台が幕を開ける。これが作品の大まかな内容ですが、“いんこ"の正体が政界のドン鍬方の行方不明の息子“鍬方陽介"で、“千里万里子"刑事の正体が陽介のかつての愛しの女で行方不明だった`朝霞モモ子'というドンデン返し的な展開はかなり強引な感がしないでもありませんが。本作品はストーリーとしてはかなり強引な展開を見せましたが、演劇を主題とした内容は非常に濃いものであり、主役の“いんこ"や“千里刑事"といったキャラも好感が持てたし、舞台で演じるいんこの姿が印象的でとてもよくできた作品だと思いますので、評価は最高に近い【とても良い】です。いんこはそれまでに50億円もの財産を最後の復讐劇に費やしますが、それだけの財産があったらもっと楽しい人生を送れたとも思いえますけど、親父に対する恨みが相当大きかったのですかね。自分が殺されると思いながら舞台に立つ最後の姿は最高のクライマックスでした。尚本作品は2000年に『七色インコ』のタイトルで、2018年に伊藤純奈(乃木坂46)の主演で舞台化されています。
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60
sakuhindb
【○】終盤【×】キャラ【総合評価】マンガの神様でもつまらなければ打ち切りを喰らう、というかブラック・ジャック以降、作者の作品は少年誌では爆死ばかりだったような気がします。この作品はそれでも長く続いたほうでしょうか?打ち切り決定後の伏線回収などで、終盤かなり詰め込んだ内容が良いですね。ヒロインの超展開ぶりは予想外。ただ主人公・ヒロイン、周りにしてもキャラが立っていません。主人公は演劇が上手で泥棒という事ですが、具体的にどのように演劇が上手で泥棒するのかという描写が殆ど無かったと感じます。ヒロインの鳥アレルギーぶりも、それは非現実だろう?と感じます。マンガなんだから非現実でも良いのですが、違和感のある非現実さなんですよね。それに作者のスターシムテムの弊害というか、ゲストのキャラのマンネリには飽きますね。刑事役でよく出るキャラが、この作品でもまた刑事やっているし。結論は「良い」です。作品中から作者が「俺はブラック・ジャックに頼らなくても面白い作品が描けるんだ!」と思い込んでいる感じがします。そのあたりが良いですね。以降の「ミッドナイト」の体たらくぶりを見れば判る通り、ゆでたまごの「キン肉マン」の如く、作者は少年誌にはブラック・ジャックを時々描くぐらいのほうが良かったんじゃないかと思いますね。
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100
cmoa
10話迄読みました。
代役専門の俳優が、2・3話毎にある芝居の代役を果たしながら、誰かからお宝を盗む話。
芝居の概要・ハイライトシーンあります。
1章は新解釈「ハムレット」。
ハムレットの演出家は大馬鹿者です。主役が稽古に出ないの許すわ、主役の役作りを一晩ですると言う代役に、生意気だ・コテンパにしごいてやるだの思います。
…主役落ちを何とかするのは、本来きさまの仕事だろうが!!
一晩では無理だと思うなら、演出とか台詞とか貴様がどうにかせねばならん所だ!!他人の責任にすり替えるな!!
読みながらイラっと来ました。
しかし場面一転ハムレットの第一声に、虚を突かれました。演出家は愚かだが、台詞は人間の真髄をついている…。
以下、
第2章「どん底」は役作りの為どん底の仕事についた筈が、そこから抜けられなくなった俳優の話。
3章「人形の家」…
読むうちに愚行の数々が、自分は正しい・自分の能力は凄いんだと言う傲慢に裏付けされている気がしましたが、人が違えば違う見方になりそうです。
名作・文学の気分の時、脳内観劇のつもりで是非。 -
80
cmoa
基本的な内容は軽快なブラックジャックの演劇版みたいな印象です。ラストはシリアスでしたが。
主人公のいんこは宝石などを盗む泥棒の一面もありながら、芝居好きで何だかんだで、困っている人や弱者を助けたりもしています。あの変身振りは七色どころか千の仮面を持っているかも?
泥棒も芝居も上手くいくこともあれば失敗することもあり、勧善懲悪ではないのが読み所かと思います。
最終巻、いんこがどういう人生を送ってきたのか、どうしてお金儲けをしているのか、千里刑事との関係等々。
いつからこの展開を考えていたのか、ラストのどんでん返しは面白かったですが、その後どうなったのか知りたかったのにそこで終わりとは……!個人的には少々消化不良のまま読了。
後は、昔の作品だからと思いつつも、女性の描かれ方に古さを感じる場面がありました。それとぼろっきれ=内面?本音?のシーンで糞を飛ばす所が苦手でした。 -
80
sakuhindb
芝居漫画といえばガラスの仮面。その輝かしい光のためこちらは、その影に隠れている感じだけれども、意外にも、読んでみると、かな〜り面白い作品。ガラスの仮面があそこまですばらしくなければ、こちらもそれなりに評価されていたに違いないー。ワタスがすきなのは、というか感心したのは、ラスト。最初はラストなんて考えてなかったのではないかと、勝手に想像するわけでするが、なんか、とても収まりよく終わったが印象深いでするー。ワトさんじゃなくて(名前忘れた)ヒロインの持病がちゃんと複線みたくなっていたのが驚いたー。それぞれのエピソードもよくできていたと思う。また、ガラスの仮面がなかなかでなくて、待ちくたびれたときに、是非読んでくださいませー。最高にしたいのでするが、記憶が薄れてしまって、はっきりと言えなくなってしまったので、ちょっと落としておきまするが、読むべし。
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70
manga_review
演劇など100%知らない子供の頃に読みました。それでも面白かった。今読み返すとこんなに短かったっけ?という印象です。この作品に出てくる演劇はなんとなくあらすじを知ることができたので、その後何か読んだり話するときに演劇に言及されてもこの作品で紹介されていて何となくわかって助かる、ということが何回かあって人生に影響を与えている、かもしれません。ドタバタもあるし途中で妙にホモ犬にスポットが当たったり逡巡する時期がありますが(たしかブラックジャックと二本立てでしかも表紙みたいな無茶もしていたのでしかたない気もします)、大筋は決まっていてラストも良いです。
この作品の特徴として時事ネタを取込む傾向があり、リアルタイム近くの頃に読んだ人なら「ああ、あの事件をベースにしているな」という話もあると思いますが、今となってはわからないと思います。
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80
manga_review
同作者の作品の中ではブラックジャックに近い。
ある一人の天才「七色いんこ」がその特技を利用して金儲けをする。物語はそれぞれ既存の演劇とリンクしていて、いんこや回りの登場人物たちでその演劇を作りあげる。そのデフォルメが上手いので、筋の分かっている演劇なのに最後まで楽しめる。
いんこの金儲けには確固たる理由があり、それが彼の過去と共に終幕で明らかになる。そこでやっと鬱陶しかった「本心」とのやり取りの意味が分かる。目的のためとは言え、むやみやたらに金を盗みまくるのには抵抗があったのだろう。そして、いんこは一つの目的を遂げ、全財産を使って「七色いんこ」としての(たぶん)最後の幕を上げる。 -
100
cmoa
役者なのに泥棒!?でも、演技もスリも天才的。そんな七色いんこが主人公です。
父親との確執があったり、孤独のようでいて実はたった一人の(犬のタマサブロー)パートナーがいたり、どこにも所属してないけど、一流の仕事はこなしたりと、ブラック・ジャックとの共通点が多々みられますが、BJがいつもクールで完全無欠なのに対し、七色いんこはドジも失敗も多いです。そんな人間らしい彼はBJとは違った魅力があります。敵対する千里刑事との恋の展開も気になります -
60
manga_review
天才役者のいんこの正体はドロボーなのであった。
モグリの技術者、達人という部分ではB・Jと共通する部分。
ほとんどの場面でクールなB・Jと違う所は結構劇場型で、失敗したりする所。
人間味があるともいえるがあまり応援できるタイプの人間ではない。話しも暗め。
作品としての完成度は高く、1話完結系のストーリーの中から紡がれる人間関係の展開が素晴らしい。スターシステムでもって出てくるキャラクターも魅力的でうれしい所。 -
100
cmoa
【このレビューはネタバレを含みます】 演劇を知ってる人も知らない人も非常に楽しめる手塚マンガです。ジャンルもコメディ、風刺、シュール、ロマンス等幅広いし、短編を積み重ねていくスタイルなので大体どこから読んでも面白い。いんこと彼を追うツンデレ&スケバン刑事の千里ちゃんにニヤニヤしてしまいます。最後は地味にチョイチョイ出てた彼が実は!というサプライズありで大円団だと思います。
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100
cmoa
作者の晩年期に発表された作品のせいかややマイナーな位置付けですが、お洒落でとぼけた雰囲気と肩の力を抜いて読めるストーリーもあいまって、かなり好きな作品です。
終盤に展開がやや駆け足になりますが、連載初期から緻密に伏線が張られており、読後感も爽やかで誠実な作りです。
基本的に一話完結ですが、是非飛ばし読みをせずに順番通りストーリーを追って下さい。 -
80
manga_review
舞台劇等はそこまで興味がないんですが、巧みにストーリーと絡ませ、非常に良く出来た話になっています。舞台を知らない人の入門書としてもオススメです。
氏の代表作、「ブラックジャック」同様、天才のアウトローという主人公ですが、こちらの方がマヌケなシーンが多いですね。
面白いマンガなのに思いの他周囲に知られていない作品なので悔やまれます。 -
50
manga_review
やってることはブラックジャックとほとんど同じなのに
なぜか好きになれない
ずばり主人公の差だとおもう
心に染みいる話の構成は相変わらず多いんですが、
主人公が軽く見え、お前に言われたかないわと思わずにいられない
ブラックジャックがかっこよすぎたのが最大の敗因ではないでしょうか
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100
sakuhindb
変装の名人の怪盗「七色いんこ」と鳥嫌いの女刑事の物語。大抵1話完結なのですが、最終回ではとんでもない秘密が明らかになります。いんこの過去と刑事の過去が複雑だったりいんこの真の目的も明らかに。最期はいんこは舞台に立って其処で話が終わりますが、あの後が見たかった気もしますね。話自体は面白かったです。
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80
cmoa
子供の頃に図書館の本で読んで、懐かしくなって再読しました。七色いんこのビジュアルは今見てもかっこいい。今まで読んできた現代の漫画たちの好きな場面、好きなギャグ、好きなキャラクターなどの一端を手塚作品の様々なところから感じるからか、余計に懐かしい気持ちになります。
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100
cmoa
久しぶりに七色インコ見ました。おもしろいですねー
とくに鳥アレルギーの千里刑事が鳥見てちっちゃくなったらブラックジャックのピノコみたいです。性格も似てるかも?
本当にあんな華麗に変装できたらすごいだろうね。あんなの出来たら何に変身しようかな!? -
70
manga_review
終盤からラストにかけてとても印象に残っている作品ですが、詳しい話は忘れてしまいました。
しかし、とても面白い話が多かったことは覚えています。
ブラックジャックと同じく手塚治虫のストーリー作りの巧さに感嘆しました。 -
100
cmoa
読みたい話だけをかいつまんで読んでも十分楽しめます。七色いんこのキャラもなかなかチャーミングで粋ですし、話それぞれに特色がありメッセージ性も解りやすい。
気軽に読んでみることを強くお薦めします。 -
100
sakuhindb
何から何まで芝居がかった作品。芝居を扱うから当然とはいえ、キャラの外見や三枚目ぶりまで芝居そのものとは。それだけに最終巻は一転シリアスで感動出来ます。計算づくでやったんでしょうね。凄いです。
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100
cmoa
七色いんこは代役専門の超名俳優!デモホントは…!?
古典、近代、洋、邦問わずあらゆる演劇を題材にしていて、チョット演劇に詳しくなるカモ!?
いんこと千里刑事の駆け引きも見所満載!
ネット上のイメージ
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