© 手塚プロダクション

神戸に住むドイツ領事の息子のアドルフは、パン屋の息子でユダヤ人のアドルフを通じて、アドルフ・ヒットラーの秘密を知る。その秘密とは…!?第二次世界大戦を背景に、三人のアドルフの運命を描く著者の代表作・第一弾。

アドルフに告ぐ

| 手塚プロダクション(出版)

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アドルフに告ぐのレビューが0 件あります

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95件のネット上の評価があります

  • 100

    sakuhindb

    【総合評価】手塚さんの漫画に基本「最高」以外の評価ってなかなかつけられないのだが、火の鳥に次いでこれがシリアスな人間ドラマの中では一番面白いと思います。毎回毎回思うのだが手塚治虫さんの人間ドラマって善悪では括れない、というよりも「括らせない」物語構成や演出になっていてそれが非常に魅力的であると思う。タイトルどおりこれは3人のアドルフの物語なのだが、ナチスドイツという非常に重たい話をテーマに当時の戦争の雰囲気、暮らしってこうなのだろうなあと実感させてくれるような重さだった。当時は全体的に右寄りに思想の統一がなされていて自由な発想及びそれを助長するような行為は一切認められていなかった。そんな中でいかに戦争の理不尽さと戦い生き延びていくか、これがこの作品のテーマであると思う。戦争をテーマにした作品は数多くある。マジンガーZやゲッターロボ、ガンダム、ウルトラマンなどロボアニメや特撮は戦争がバックボーンとしてある。しかしどれもやはりどこか「虚構」以上の認識が出来ずに戦争とは思えない胡散臭さがある。勿論子供向けに作れば自然とそういう内容になってしまうのだからそれはそれでかまわない。ところがこの作品は「実際にこういうことあっても不思議じゃない」って思わせるような説得力がある。やはり手塚さんも戦争の被体験者であるし、母親を亡くしているからこそ書けるのだろう。暴力描写も過激でこそないものの痛々しさが伝わってくる。評価は「最高」で。この本を読むといかに自分が幸せな時代に生きているかという当たり前だけれども重要なことを認識できる。

  • 100

    amazon

    今回電子書籍でまとめて購入、一気に読破しました。実は以前からこの作品いつかは読んでみたいと思っていたのですが時代背景の暗さやナチスドイツの嫌悪感ヒットラーの狂気、戦争の陰惨さにどうしても背を向けてしまいまともに直視することが出来ないまま年を重ねて来てしまいました。誠に失礼な話ですが今回電子書籍化により安く購入出来ることを知り「それではダメ元で読んで見よう」と突き動かされてしまいました。冒頭からグングン物語に引き込まれていきます謎かけ、伏線、因果関係、出会い、別れ、狂気、団結人種差別、戦争、友情、親子、そして人間とはなにか・・・これだけテーマを織り込んだ作品なのに全く破綻してませんまさに大河ドラマかのごとく大きく時代のうねりに翻弄されていく人物たちを完璧に描ききってます。手塚治虫氏といえばどちらかと言えば子供向け作品が多くなるべくソフトタッチな筆遣いで優しく描く印象でしたたしかに「陽だまりの樹」等の青年向け作品ではペンタッチを大きく変えて厳しく、繊細に描かれてましたが本作での書き込みはとにかく半端ではありません鬼気迫るというべきかオーラーを発してますストーリーもさることながら絵そのものが芸術作品「火の鳥」が氏のライフワークとするのなら本作品は氏の集大成、遺作となってしまいましたが晩年は震える手で病床から完結させた氏の執念に驚かざるを得ません。今更ながら早世が残念でなりません。☆5つまでしか付けられないのが残念なくらい10でも20でも足りない位、珠玉の名作と感じました。

  • 80

    sakuhindb

    火の鳥につぐ名作だと思う。火の鳥やブツダでは宗教をとおしての因果応報をテーマの一つにうたっているがこの作品は人種紛争、正義をお互いに主張し合っての各国の戦争を通して加害者、被害者が入り乱れながら因果応報をうたっている。お互いに主張しあう正義を盾に鉾に決してなくならない種族間紛争のやりきれなさを痛感する。中盤の殺しても殺しても足りないナチスのアドルフが最終巻で立場が逆転して迫害される側に立ったとき彼にわずかに同情してしまったのが悔しいし、やはりそうさせる手塚氏の説得力に感服する。物語が最初からあらかじめ決められた結末に向けて描かれており物語に乱れが無い。5巻という長編だがまるで名作と呼ばれる2時間程度の映画を観終わったようなわかりやすい充実感がある。手塚氏は以前「まず結末を定めてからそこに向かって描く。そうでなければ絶対にいいものはできない」というようなことを言っていた。最近の着眼点の面白さのみで始めてその後迷走したり、終わるべきところで終わらずだらだら続ける漫画家に作品としての是非を問いたい。しかし峠がもてすぎでムカついた。国家を敵に回して全く弱気にならず、ひたすら弟の無念を・・と孤軍奮闘するところは共感を通り越して嫌悪感を感じた。彼に全く感情移入できなかった。よって評価はとても良い。

  • 70

    manga_review

    ヒトラー出生に関する秘密文書を巡って、アドルフの名を冠する二人の少年による数奇な運命を綴った戦中譚。

    第二次大戦下のドイツと日本を舞台に、ヒトラー出生に関する秘密文書を巡って人間がひたすらに「すれ違う」様は、もどかしくも滑稽で、数奇な運命の連鎖が読者を飽きさせない最大の仕掛けとなっている。あたかも「めぞん一刻」で五代君と響子さんの想いがすれ違い続けたように―。このモチーフの上に複数の小さなサスペンスや恋愛ドラマが折り重なりつつ、タイトル「アドルフに告ぐ」という名どおりの終結に向かって見事にストーリーが収束していく様は圧巻だ。

    手塚治の晩期に非漫画雑誌で連載された本作。手塚作品の中でも異彩を放つ。同時期のブラックジャックの絵柄は、画線の「ブレ」が露見されるが、本作では、比較的しっかりとした筆跡を感じられる。それだけ作者の格別な思いが詰まっているということか。

    なお、史実との関係については、秘密文書の存在も含め、多分にフィクションが混在していることに留意したい。しかし、ユダヤ人の迫害と彼らが世界の経済界・学界等で大きな存在感を示す現実の裏に何があるのか、人はなぜ人種差別をするのか等、歴史上の本質的問題について思索に耽るには十分すぎる歴史「小説」だといえるだろう。

  • 100

    manga_review

    後期手塚作品の大傑作。他の長編作品より短いが、メッセージ性の強い作品に仕上がっている。

    ドイツの独裁者「アドルフ・ヒトラー」は実はユダヤ人だったという推論を採用し、同じ「アドルフ」の名を持つ2人の少年が辿った運命をさらに「第三者」の視点から語らせる。
    ナチスの行った「ホロコースト」は断罪されねばならないと思うが、いかに「善良だった一少年」がそれに加担させられていくのかが分かる。誤った人間の謝った洗脳がいかに多くの悲劇を生み出したのか、いかに多くの犠牲と破壊を生み出したのか、これは虚構の世界の中ながら「現実に歴史として残っている事実」だと思う。

    ヒトラーが現実にユダヤ人の血を引いていたという可能性は限りなくゼロに近いそうだが、別にヒトラーは近親相姦による出生だったという説があるそうだ。ヒトラーの兄弟は皆早死にし、戦後まで生き残った妹には障害があった。このことから、ヒトラー自身も近親相姦による影響があったのではないか・・・とする説だ。

    ヒトラーはさて置いても、友情を引き裂かれた2人の「アドルフ」の姿が痛ましい。

  • 100

    amazon

    西城秀樹がデビューした時、「東条英機」のもじりのような名前は不謹慎だと少数のマスコミに叩かれたそうだ。西洋なら芸名にあえて「アドルフ」とつけるようなものか。戦後ドイツでは子供の名前に「アドルフ」とつけることがタブーになったと聞く。この作品にも複数のアドルフが出てくるように、かつては男性のごく普通の名前だったのに。閑話休題。「アドルフに告ぐ」は手塚治虫畢生の名作。週刊文春連載中から毎週楽しみに読んでいた。単行本でも文庫本でも繰り返し読んだ。大作映画のようなスケールの大きさ。歴史に翻弄される人々の姿。ディテールの緻密さ。盛り上げの巧さ。手塚さんのご病気で中断の期間もあったが、復帰後も物語のテンションと密度は維持されていた。下手なサスペンス小説の何百倍も面白い。3人のアドルフの物語。20世紀の痛ましい歴史が鮮やかに切り取られている。漫画だからこそ表現できるリアリティもあるのだなと思う。必読の傑作。アセチレン・ランプもちゃんと出ております。

  • 100

    amazon

    第二次世界大戦当時の日本とドイツを舞台に、アドルフという名前をもつ3人の男がたどった運命を描く長編マンガです。単行本化された時に読みましたが、読んでも内容が消化できませんでした。20年経ち再読してあらためて衝撃を受けました。古いどころか、今だからこそ読む価値があると思いました。政治、そして戦争の不条理が満載されています。後半に描かれた阪神神戸の空襲は実体験をもとにしていると思われます。連載中に病気でいくどか休載になったそうですが、命を削って書き残された作品かもしれないと思います。これを連載していた当時の週刊文春編集部もすごいです。私は小学生の頃から、手塚漫画に育ててもらったようなものです。あらゆる生命が尊重される手塚ワールドの中で安心して生きてこられた気がします。手塚漫画を読んで明るい未来を信じて子ども時代を送れたのはなにより幸せでした。もっと長生きしていただきたかったと切に思います。

  • 100

    manga_review


    とりあえず一言で言うならスゴイです

    読んだ理由は母親から勧められて読んだのですが、ぐいぐい引き込まれていきました、
    まずは推理部分、普通に飽きさせなかったです、一つの文書をめぐる政府とレジスタンスの奪い合いを巧みに描いてます、もう一度いいますが最後までほんっとに飽きさせないです、

    次にテーマ性、後半は神戸空襲も描かれており戦争の悲惨さを激しく感じました、そしてユダヤ人の差別など結構な数のテーマをいっきに受け止めた感じです、なにより正義の定義とはなにか?そして悪の定義とはなにか?と全てを読み終わってから激しく考えさせられました、

    手塚さんは本当に天才なんだと思いました、この漫画は凄く深いメッセージと凄く面白い推理と凄く人間臭いキャラクターを詰め込んだ最高の1作です、戦争をさせている人達に読んで貰いたいです、そして読んだ後に正義ってなに?悪ってなに?と聞きたいです

  • 80

    cmoa

    三人のアドルフについて、峠草平が語り部として話が進んでいきます。一気に全5巻読みました。
    1930年代以降〜戦争やファシズム、軍国主義の愚かさ残虐さ。本編や本編の間に差し込まれる年譜を見るたび、それらがまかり通っていたのが末恐ろしい。
    正直な所、峠はおっさんかと思いきや28でした。案外若かった。男前設定な上にやたらとモテています。
    特高の赤羽、ゲシュタポのランプたちにやられながらも、仁川刑事みたいないい人たちが手を差し伸べて、色んな意味で強運の持ち主の峠。
    一つ気になるのは、三重子は父の死に対して峠に思う所はないのがちょっと不思議……。
    カミルに意外な所で復讐されてしまいましたが、カウフマンは自分のしてきた虐殺行為に気づく事はとうとうなくて本当に残念。自分の過ちに気づいて欲しかったです。
    ナチスに染まった人間は悲惨な末路で、振り回された人間は人生を全うした所が救い……?

  • 80

    amazon

    このお話は3人のアドルフについての物語。それを取り巻く、様々な人物が登場して、それぞれの人生の断片を見せ付けてくれます。たくさんの女性が登場します。母として恋人として娘として教師として。何度読んでも飽きない作品ですが、「女の生き方」に注目して読むこともお勧めします。そこには本当に自分の信念に生きている女性がいます。激しい拷問を受けながらも秘密を守る姿、片田舎の港町で昔の男を待つ姿、植物人間になりながらも子供を生む姿・・・。どれもあまりにすざましく、その行動にはその女性の性格や背景があります。戦争という極限状態に生きるということ、私は経験したことがありませんが、この作品を通してその「凄さ」の一部を感じることが出来たと思います。女性が読むには少し「重い部分」があるかもしれませんが、それ以上に様々なことを考えるきっかけになりえる作品だと思います。

  • 100

    sakuhindb

    【良い点】細かい人物描写。特に米川刑事や仁川刑事など、関西弁を喋るキャラの造形は最高。ペンが伸び伸び動いて、ページの外に飛び出してきそう。戦前の関西の雰囲気を知る作者ならでは。あと何と言ってもストーリーの壮大さ!【悪い点】峠さんに感情移入できないという声を聞くが、実際の主人公はアドルフ達なのでこれはこれでいいと思う。ゴルゴ13みたいな人なんだろう。あとは手塚先生の作品全般に言えることだが、母性愛と家父長制的な父への憎悪があんまり好きではない。でも、母親がクッキーを焼いた側からアドルフが覗き込むページは、マンガの世界で一番美しいページだと思う。【総合評価】プラスマイナス出来るような作品ではない。読後感とか作者のメッセージなどでも評価できない。自分の一部分になっているような作品。よって私の評価は当てにしないでください。

  • 80

    manga_review

    第二次世界大戦前後を舞台とした
    ヒトラーの出生の秘密をめぐる「アドルフ」の名を持つ
    男たちの運命を描く作品。

    手塚治虫らしい、正義の客観視をテーマにしつつ
    ストーリーも読みごたえがあり
    伏線の回収も見事。
    物語としての完成度は非常に高い。
    とりあえず盛り上げることだけに腐心して、一つの作品として
    まとめ上げることを軽視しがちな今の漫画家は手塚のこういう
    ところを見習ってほしい。

    欲を言えば
    最後の中東編をもう少し掘り下げて欲しかった、というより
    カミルの暗黒面を詳らかにして欲しかった。
    カウフマンが人生を通じてこの作品のテーマを存分に体現したのに
    対し、カミルはどうしても「いい人」だけの役回りで
    キャラクターを活かしきれなかったのがもったいなかった。

  • 100

    cmoa

    この題名に、込められた思い。
    (少しネタばれです。読みたく無い人はとばして下さい。)



    一人でも多くのアドルフに、そして少しでも多くの人々に、戦争の悲惨さを、伝えて欲しいと 言う事だった。
    戦時中の十数年間に、ナチイズムや、日本の教育を受けて大人になってしまった、人々はサブリミナル効果によるものか?感覚が麻痺し、そして子供の時に人を殺事を覚えさせられた、衝撃とヤらなければ、自分に害が及ぶと言う、恐怖感とあいまって、狂気の種となる。

    そして、人間は愚かだ…。過去に学ぶ事が無くいつも何処かで争いが 続く。
    被害者だった、人々がある日、加害者になってしまう事もある…。
    しかし本当に、ヒトラーにユダヤの血が入っていたのでしょうか?本当にそうなら、なぜあんなに酷い事ができたのだろう…。

  • 100

    amazon

    自ら作り上げたイデオロギーと、一個人としての自分との矛盾に縛られ苦悩する独裁者アドフル・ヒトラー。そのナチズムによって引き裂かれる2人の少年アドルフの友情は、やがて深い対立と憎悪を生み出し、互いの家族を殺し、最後には殺し合う結果を招く。登場人物の多くが、軍国主義、共産主義、シオニズムなどイデオロギーの生み出す奔流の中で、もがきながら生きる様子が描かれている。個人として何の恨みが無くても、所属するコミュニティや信奉するイデオロギーによって人は対立し、殺し合いさえする。しかし、人々はその大きな社会の流れに逆らって生きる事は出来ない。人間、社会、思想、戦争などについて深く考えさせられる壮大な作品でありながら、高いエンターテインメント性も併せ持つ傑作。

  • 100

    manga_review

    手塚作品では、ブラックジャックと甲乙付け難い作品として
    自分はとらえています。

    大河ドラマになってもいいような素晴らしい歴史ストーリーですが、
    単に歴史を追うのではなく、フィクションながらもヒトラーが
    ユダヤ人だった?というショッキングなテーマを背景に、
    アドルフと名付けられた2人の友情と敵対、それを作品を通して
    見守る峠という日本人の物語を上手く絡めた展開には脱帽です。

    長さもだれることなく丁度よかったと思います。
    マンガファンだけでなく、すべての人に読んで欲しい名作ですし、
    ぜひ映画化なんてしてほしいと思ってるんですが、
    テーマ(ヒトラーとユダヤ人)がテーマだけに難しいのだろうなぁ・・・

  • 60

    sakuhindb

    二堂;二堂です。新駄;新駄デス。二堂;三人のアドルフはさてさて第二次大戦を通しどうなるのやら、手塚ワールドここにきわまる。新駄;人物の設定とか架空と現実がいりまじってるのにそれが分離していないところがすごいとしかいいようがない。二堂;赤羽さんはまじこわかった。新駄;やはり戦争経験者は違うはってのが本音ですね。擬似戦争みたいな漫画が戦後生まれた人の中で作られつづけたが、ここまで描けたのはない。二堂;経験には勝てないと言うべきですね。新駄;ヒットラーのなぞを追うというのが根本にありますが、それをめぐっていりみだれる人間ドラマ。二堂;きわまってましたね。本当に。新駄;これは一読の価値アリ「良い」でおねがいします。

  • 50

    manga_review

    ヒトラーはユダヤ人だったという俗説を元に
    ヒトラー出生の文書を巡り奔走する日本人青年の奮闘と、
    アドルフの名を持つ2人の少年の宿命を描いた物語。

    ナチスに忠誠を誓いつつも
    幼馴染の親友、そして意中の女性がユダヤ人であるという
    事実に苦悩するカウフマンの悲哀は、
    同作者の「火の鳥」に匹敵する人間ドラマを感じさせます。

    一方で日本人青年の峠草平のキャラクターにはあまり魅力が感じられず
    文書を巡り東奔西走する導入部は少し退屈に感じてしまいました。
    またエピローグ的にあっさりと語られるイスラエルでの一節も味気なく
    著者の他の名作に比べると、本作はいささか物足りない印象があります。

  • 100

    amazon

    手塚治虫氏による作品。全五巻の内の第一巻。狂言回しとしての峠草平。弟の謎の死。そして死そのものが無かったことにされる恐怖・・全体主義国家の恐ろしさを垣間見た気がする。そして舞台は日本、神戸に移る。二人のアドルフ。アドルフ・カウフマン、アドルフ・カミル。カウフマンの父はスパイとして何をしようとしていたのか、ヒトラー総統はユダヤ人なのか・・スターシステムとしてアセチレン・ランプ、ハムエッグ、お迎えでゴンス(笑)も登場する。1巻ではカウフマンがドイツに行かざる得なくなり中学生となったカミルと別れるシーンで幕を閉じる。いい感じに謎が広がり今後が気になって仕方がない。ちょっとした歴史ミステリの雰囲気がある。

  • 70

    manga_review

    手塚治虫の後期作品で硬派なサスペンス作。
    アドルフ・ヒトラーの出生の秘密が記された書面を巡って
    点々と描かれたストーリーが一つの線に繋がって行く様は圧巻。
    ストーリーは複雑ながら綺麗にまとまっており、読む者を夢中にさせる。
    手塚先生のストーリーセンスを称賛せざるを得ない。

    ただ、ページの都合か、ヒトラー死後のストーリーが大分端折られているのが残念。
    最低限、カミルがパレスチナに行き様変わりした経緯は描写して欲しかった。
    また、できればランプvs峠の最終決戦が読みたかった。
    ストーリーの端折りさえなければ、確実にもっと高得点の評価を付けたことだろう。

  • 60

    manga_review

    3人のアドルフ・・・というより、2人のアドルフの友情が引き裂かれていく
    様を描いた作品。

    とにかく考えさせられる内容なのだが、残念なのは終わり方。
    イスラエルでの話はもう少し掘り下げて書いて欲しかった。
    あの優しかったカミルが兵士になったとはいえ、いきなり「人殺し」
    をしたという描写が信じられなかった。
    戦争とはそんなもの、というメッセージが暗に隠されているのかも
    しれないが、それまで「善」の立場にいたのだからもう少し過程を
    書くべきだったのでは。

    だが、数十年前の作品であるにも関わらずしっかり読めるあたり
    さすが手塚治虫だなと思わせます。

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