© リイド社

天下分け目の”関ヶ原の戦い”で徳川家康が日本を統一、それ以来の歴史を描いたのが「風雲児たち」。その続編「幕末編」がついに単行本化。風雲、急を告げる幕末に、井伊直弼が大老に、そのとき・・・・・歴史大河ギャグの決定版!!

風雲児たち 幕末編

| リイド社(出版)

立ち読み

風雲児たち 幕末編のレビューが0 件あります

レビューを投稿する

19件のネット上の評価があります

  • 100

    amazon

    教科書には載っていない事が当たり前の様に描かれるのが「風雲児たち」なのだけど、「教科書に書かれていて当たり前の出来事」を扱うと、とにかく長い。桜田門外の変なんか幕末編の21巻冒頭から22巻の前半までたっぷり1冊半使っちゃったけど、今回はやはり教科書でもお馴染みの「生麦事件」という事で一冊丸ごと使って文久の改革を幕府にネジ込み意気揚々と京都に引き上げる途上で薩摩藩が起こした大事件一部始終を描いている。血気盛んな島津藩士を描くからといっていきなりバッサリとは描かないのが海千山千のみなもと太郎。生麦事件の発生前から横浜居留地で既に外国人の間で「ジゲンリュー」のヤバさが伝わっている辺りをしっかりと描いている。既に殺害されたヒュースケンの友人で同じオランダ系アメリカ人のユージン・ヴァン・リードが久光の行列とすれ違いそうになり生きた心地がしないまま馬から降りてデムーロばりに最敬礼の姿勢を取ってやり過ごす場面を描く事で「これから起きる事件」の恐ろしさを徹底的に盛り上げる。……「その瞬間」の描写自体は意外とあっさり。下馬するという方法を取りそびれた哀れなイギリス人の一行が元気の有り余った薩摩っぽに次から次へとバッサバッサと斬られて逃走。一人の死亡者を出しながら居留地へと逃げ込むのだけど「風雲児たち」が面白いのは教科書ではあまり描かれないこの事件の後始末を薩摩・幕府・外国人の三点からたっぷりと描いているからに他ならない。そしてこの後始末の中にこそ前巻で横井小楠に言い負かされた大久保忠寛が「すん・えん・さん」と呆然と呟く以外に無くなった幕府の諸藩に対する統制力の喪失がこれでもかと描かれている。イギリス人を殺傷した後、現場に長居は無用とばかりに「超高速参勤交代」みたいな薩摩の京都に向けての猛ダッシュが始まるのだけど(港区芝の江戸藩邸から一日で保土ヶ谷まで!)事件を聞きつけた神奈川奉行所も江戸の幕閣も当然ながら黙ってはいない……が、その実力はいか程なのか?居留地に重傷を負いながらも逃げ帰ったイギリス人たちの報告を受け自分たちの手で薩摩藩を取り押さえようと逆上したイギリス海軍の面々を始め、居留地の外国人たちを相手にしながら朝廷をバックに付けた島津家の責をどう問うのか?この二正面作戦の様な状況下で薩摩の幕府を小馬鹿にした様な説明に「ふざけるな!」とも言えず挙句は「疑うのであれば薩摩七十七万石家来一同を差し出すまで=戦争上等!かかって来いや!」とまで言われて何も言い返せない老中たちにいよいよ失墜する幕府の権威が滲み出している。そんなほとんど「無政府状態」の様な日本で何故この西洋人殺傷事件が清朝の衰亡を招いたアヘン戦争・アロー戦争の様な事態を招かず意外なほど穏便に済まされたのかは(後に薩英戦争はあったけど)教科書で生麦事件を学んだ方であれば疑問に感じた事と察する。そこもしっかり描くからこそ「風雲児たち」は面白い。英国公使オールコックが帰国中の代理公使ニールが「報復を!」と意気上がる軍人たちを民間人からも「腰抜け」と言われながら冷静にコントロールし本国と連絡を取りながら事を収めるまでがみっちりと描かれている。その中には9隻の軍艦で江戸を干上がらせるイギリスの戦略までもが描かれており「当時のイギリスは日本国内の物流まで知り尽くしていた」という驚愕の事実が明かされている……70歳をとっくに過ぎてここまできっちり下調べをするみなもと先生の情熱たるや!そんなこんなで生麦事件の一部始終が一冊丸ごと使って描かれたわけだが、最後の一章は今後を予期させる内容となっている。恩人である森山新蔵が寺田屋事件により自害した息子に続いて腹を切った事を知り悲憤する田中新兵衛がついに島田左近を惨殺。「幕末四大人斬り」の一人が目を覚ました事でいよいよ時代が「暗殺の時代」としての幕末後期を迎えた事を告げる。生麦事件というひどく陰惨な事件の全貌を描き、「人斬り」田中新兵衛の目覚めを描いた事でギャグ漫画として描かれてきた「風雲児たち」もいよいよ血煙街道の様な時代を描かねばならなくなった事がイヤでも読者に伝わってくる。イギリス人殺害や島田左近暗殺も可能な限り「残酷さ」が残らない様コメディ仕立てで描いた我らがみなもと先生だけど、ここから先暗殺とテロと戦争の幕末後期をどうギャグ漫画として成り立たせるのか……そんな不安がチラリと脳裏を過ぎった幕末編第32巻であった。

  • 100

    amazon

    幕政改革を実現して意気揚々と薩摩へ引き上げる島津久光の一行の帰路に大事件が待ち受ける。大名行列に突っ込んだ英国人たち4名が薩摩藩士に無礼討ちにされたのだ。4名のうち、死者は1名のみで女性は無傷で逃げることが出来たのだが・・・当然に大事件である。怒り狂う英国人たちは現場に駆け付けて薩摩の行列を追い掛けようとして幕府の役人と小競り合いに。その間も薩摩の行列は生麦を離れてドンドン西へ。幕府役人は当然に薩摩藩を追及しようとするが、関ヶ原の頃から薩摩はのらりくらりが得意なので糠に釘である。現代的な視点で見れば「只のテロ行為」に過ぎないという話かもしれないが、当時の法から見れば必ずしも薩摩の暴挙ではない・・・。また、庶民も外国人を斬り捨てた薩摩を英雄視するように持て囃した。開国に伴い、日本の金銀が外国へと流出し物価が高騰していた不満が背景にあり、また200年以上も鎖国を続けていたため、外国人に対する偏見も甚だしかった。この本来なら「テロ行為」とされる殺人が「国家的英雄行為」として称賛されるたという事実がその後の京都における攘夷の天誅と呼ばれる連続殺人事件へと繋がっていくのである。こういったテロ行為を繰り返して維新後に生き残り、出世して高官となった者ほどテロ行為の標的となることを恐れた。「因果応報」という言葉を知らぬ無知なる面々の厚顔無恥を現代に伝えようという良書に他なるまい。

  • 100

    amazon

     32巻は31巻の引きで描かれたように生麦事件が扱われる。筆者は子供のころに大河ドラマの「花神」で幕末に目覚め、小学校の図書館にあった「明治維新」という本を愛読して以来、「生麦事件」そのものに関する記述を散々読んできたはずだが、この32巻を読むまでまるで知らなかったと愕然とした。 知らなかったことの内容を大きくまとめれば ①他の外国人テロ事件と生麦事件の関係 ②様々な当事者・関係者の具体的な動き ③事件をきっかけにした列強の具体的な軍事的蠢動 となる。 連載開始以来40年、幕末篇だけでも20年弱という圧倒的な厚みと情報量を誇る本作品だからこそなしえる業である。 それにしても31巻でガタガタになった幕府は、下り坂を転がり落ちるようだ。 また統治機構がそうなってしまうと、「世の中」もだいぶガタガタしてしまう様子が32巻の引きである。 しかし、この段階でも為政者や武士階級の騒ぎとは無関係に 乃至 野次馬的に無責任に かかわっていた人民大衆もいたわけで、その辺の描写を作者は外さないあたりも32巻の見どころである。

  • 100

    manga_review

    日本史の漫画として「最上作品」と思います。
    全30巻にも及んだ「風雲児たち」を途中で投げ出すこともなく、ようやく当初の予定通りの「幕末編」に仕切り直して突入しました。

    基本的にこのシリーズは「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズのように時代が変わる度に主人公も次々と代替わりするのですが、最終的な中心人物は「坂本龍馬」になると当初から決まっていたようです。

    確かに昨今の龍馬ブームを置いても、シリーズの花道を飾るに相応しいと思います。

    これほどの作品、もっと売り上げがあっていいと思いますね。
    知名度の絶対的な不足・・・・・・・。
    コアなファンでないと気付けない作品にこそ「いい作品」があるということなんでしょうか。

  • 80

    amazon

    7年ほど前にワイド版を借りて一気に読んで以来、大ファンでKindleで全巻買って読んでいます。7〜8ヶ月に一回ぐらいしか出ない「風雲児たち」を楽しみにしています。今回も生麦事件だけでほぼ一巻使う贅沢ぶり。細かいディテールに満足です。いつものように脱線しないようにかなり自粛されている感はありますが、生麦事件は1862年8月。戊辰戦争終結まであと約7年。さらにペースダウンの印象が強く本当に完結できるのか心配ですが、正直終わって欲しくもない…。

  • 80

    cmoa

    関ヶ原からの最初の20巻も面白いですが、坂本龍馬など、私の世代でも大河などで馴染みのある人物が出て来出し、幕末編も面白いです。ただ前半もそうですが、絵が古い事と私の世代では解らないギャグが多い。そして要らないシーンに下ネタもよく出てきますので、それを除けばこれ以上素晴らしい歴史漫画は他に無いのではないでしょうか。風雲児たちだけは全巻集めようと思っています。

  • 100

    manga_review

    やっと幕末まで来た「風雲児たち」。相変わらず面白い。
    ホントは10点以上をつけたいところ。

    歴史の流れや各事件の顛末をわかっちゃいてものめり込んでしまう。
    陳腐なフレーズだが「事実は小説より奇なり」を実感できる作品。

    動乱の時代に入ってしまったためか若干ギャグは少なめ。

  • 100

    cmoa

    教科書の片隅、或いはその外側で見落としているような、歴史を動かした人々の、息吹が感じられます。遥か昔のことではなく、今に繋がる生きた歴史から、学ぶものが多いですね。ハードな展開と適度なギャグとで、確かな歴史を描いており、読み応えがあります。シリーズを通して読む価値があると思います。

  • 100

    amazon

    中学までの日本史の教科書だと幕末なんか10Pもありません。暗殺が横行した、と言っても、理由も状況も様々。報復の連鎖だから、相互に原因だったりもする。こうしてひとつひとつ紐解いていく漫画は、とても興味深かったです。

  • 0

    ebj

    マンガHONZで、「10代のころに読んでいたら人生が変わっていたかも…」とあった。紹介されていたのは前作の「風雲児たち」であったが、本屋さんにあったのが、このシリーズしかなかった。小学3年生の男の子が...

  • 100

    ebj

    歴史がわかりやすいだけでなく、ギャグにまで進化させて、それがまたほんとうに秀逸です。多くの場所でいろんな方が言ってますが、この「風雲児たち」シリーズはもっともっと人気になっていい作品だと思います!自...

  • 100

    ebj

    言わずと知れたみなもと太郎大先生の傑作「風雲児たち」。もともと幕末を描こうとしていながら、希望コミックスにして29冊を費やして幕末まできたところで連載が終わっていた(笑)名作の幕末編がついに登場。...

  • 100

    ebj

    女医になるため修行するシーボルトの娘イネ、大老就任前の井伊直弼、そして忍び寄るペリーの影。桂小五郎に吉田松陰、村田蔵六など幕末編のスタートにふさわしいキャストが勢揃い。イネのあのシーンは衝撃的でした。

  • 80

    ebj

    九重君の本 読了常日頃、日本の近代史、および成り立ちに疎いのでなにかわかりやすい資料があったら見せて!教えて!とせがんでいたら九重君がぽんとおいて行ってくれまして、もう感謝です。シーボルトの...

  • 100

    amazon

    本巻の見所は生麦事件における幕府と薩摩の駆引きでしょう。こういった駆引きを生々しくあたかもリアルタイムで感じられるように描けるところが本著者の素晴らしいところです。

  • 100

    cmoa

    歴史の教科書では教えてもらえない、歴史の裏側や時代背景が作り出す心理戦が面白い江戸幕府のことなかれ主義が、今の政治家に繋がっているそんな感じがします

  • 100

    amazon

    風雲児たちは全巻読んでいて、新刊を楽しみにしています。アマゾンで買えるのはとても便利だと思っています^_^

  • 100

    amazon

    今か今かと待ち望んでやっと32巻目。最後まで行けるか少し不安がありますが早く続きが読みたいです

  • 100

    amazon

    作者の寿命は最後までもつのかな?未完でおわるような気がして・・・・。

ネット上のイメージ

歴史
ギャグ
戦争
江戸
教師

イメージの近い作品(ランダム)

  • 鬼平犯科帳
    天明七年、火付盗賊改方・御頭(長官)をつとめることになった長谷川平蔵。金箔付きの盗賊たちをお縄にしていく彼を、人々は鬼の平蔵と恐れたのであったが……。「血頭の丹兵衛」「老盗の夢」など読み切り4本収録。
  • ノブナガ先生
    時は戦国・1582!!本能寺で絶体絶命の窮地に追い込まれた織田信長は稲妻と共に現代日本へ。そして始めたのはなぜか「教師」。覇王の圧倒的スケールで行われる、常識外の授業とは!?「ムダヅモ無き改革」の大和田秀樹が放つ天下人教育破壊コメディ、ここに開幕!

イメージの近い作品(知名度:高)

  • アドルフに告ぐ
    神戸に住むドイツ領事の息子のアドルフは、パン屋の息子でユダヤ人のアドルフを通じて、アドルフ・ヒットラーの秘密を知る。その秘密とは…!?第二次世界大戦を背景に、三人のアドルフの運命を描く著者の代表作・第一弾。
  • 戦争論 ─まんがで読破─
    人々は平和を願っているにも関わらず、歴史とともに絶えず繰り返されてきた戦争。プロイセンの軍人・クラウゼヴィッツは「理論上の戦争」と「現実の戦争」が存在することをつきとめ、それらを分析することで「戦争の本質」を追求しはじめる。軍事学にとどまらず、政治学にまで影響を与え、現代に読み継がれる世界的名著を漫画化!

イメージの近い作品(最近)

  • JIN-仁-
    【ページ数が多いビッグボリューム版!】南方仁は東都大学附属病院に勤める脳外科医である。ある日、彼が頭部裂傷の緊急手術を執刀した患者が、病院を脱走しようとする。患者と揉みあう内に仁はなんと幕末の1862年にタイムスリップしてしまった。電気も消毒薬も抗生物質もない世界で、医師南方仁の戦いが始まる。
  • ホークウッド
    14世紀、イングランドとフランスの百年にわたる戦争が始まろうとしていた頃。金で雇われ、戦いを生業とする者達--傭兵が各地の戦場で活躍していた。“白鴉隊”という小さな傭兵隊を率いる若き傭兵隊長ジョン・ホークウッドは、一人の王子との出会いを機に、百年戦争という大きな戦いに巻き込まれてゆく……。