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江戸のかたぎ長屋に住みついた浪人、瀬能宗一郎。剣の腕は立つが素頓狂。何を起こすか、起こさぬか…!?盟友・永福一成の原作を得て、松本大洋が新たなスタイルで江戸を描く!!

竹光侍

| 小学館(出版)

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Ebook販売元 : コミックシーモア

竹光侍のレビューが0 件あります

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18件のネット上の評価があります

  • 90

    manga_review

     先日江口寿史の背景論についての議論がツイッター上で巻き起こっていたのは記憶に新しいところ。色んな漫画の描き方があるわけだけど、現在の漫画がどこへ向かっているかというと、大きな流れとしてはデジタルに向かっているのは間違いない。その程度は置いといても、全く使ってない人の方が少ないくらいかもしれない。photoshopなんかのデジタルで漫画を作るソフトが普及してきたということも影響しているのだろう。

     デジタルが登場する以前を考えると、漫画とは要はペンとトーンで描かれていたわけで、漫画の進化とは画法の進化であると共にトーンが進化してきたという面も少なからずあると思う。服の柄、影、背景、様々なトーンと様々なトーンワークを漫画の中で見てきた。
     でも正直な所、個人的にはトーンに惹かれたことはなかった。何でかは知らない。明らかにトーンの使いすぎでトーンが絵から浮いてたりするような漫画は論外としても、漫画としての見やすさや洗練度はともかく、“絵”としてトーンを使った絵を気に入ったことってなかったと思う。
     
     それもこの竹光侍を見るまでということで(>前置き長いな)。松本大洋は竹光侍において、絵に専念できるということもあってか、自身の集大成のように様々な技法で絵を描いている。独特の朴訥としたタッチはもちろん、墨で描かれた大胆で迫力抜群の絵もあり、ナンバーファイブ 吾で見られた木版画のような雰囲気の絵もある。
     そしてトーンの使い方。単に切って貼るのではなくて、貼った上に濃淡を変えて墨で色をつけたり、一部だけこすってかすれたような雰囲気にしたり、それらを組み合わせたり、かと思えばまっとうな使い方をしたり、あまりに変幻自在のトーンワーク。もはや松本大洋はトーンを模様として見ていない、切り絵のような、そんなもっと幅広い使い方をしている。

     元々松本大洋の絵柄や技法というのは固定されていないけれど、この竹光侍の絵は場面によってころころ変わる万華鏡のようであり、“キメ”の絵ではそれらがフルに駆使されてもはや芸術とも呼べる絵を堪能できる。
     アーティスティックとはまさに松本大洋のような人のことだよなぁ。既存の表現を取り入れ、さらにそれらに捕らわれずに新たな表現を模索する人だけが、新しいものを作り出せる。本当に素晴らしい。
     
     物語はそんなに凝ったものではない。でも漫画において必ずしも物語って傑出したものである必要はないわけで。永福一成の原作は、絵を優しく盛り上げる。松本大洋の魅力は個人的に“静と動”にあると思っていて、それらを最大限に引き立てるという点で絵とこの物語はぴったりと調和している。
     
     「とーん」と音が響き渡り、ネコはしゃべる。剣はうねりをあげて肉を切り裂く。宗一郎は鬼となって鬼と闘い、最後は鬼から解放される。美しい時代劇は美しいハッピーエンドでおしまいとなる。
     それにしても何と愛おしい江戸の町とそこに住む人々。最終回では大事なものが失われてしまったようで、切なくなった。でも変わってしまうものだからこそ価値があるし愛おしいのだ、多分。読み返すと彼らはそこにいる。

     竹光侍は、これ以上ない“粋”な時代劇であると共にアナログ漫画の一つの頂点だ。次に松本大洋の絵が進化するのはデジタル技術を上手く絵に取り入れた時と私は予想しているのだけど、どうだろう?…と思えばSunnyで水彩画の技法を使ったりもしているから松本大洋は油断ならない。

  • 70

    manga_review

    2巻まで読んだ感想です。

    カタギ長屋に住む勘吉は、正月の寒い朝にある男と出会う。たいそう腕がたつが腰のものは竹光。「物の怪に憑かれている」と評されるかと思えば、回りの者に故郷の自然を幻視させる・・・男の名は瀬能宗一郎。江戸に出てきたばかりの浪人である。瀬能は江戸で何に触れ、何を為すのか。

    この作者の作品には初めてふれます。

    どこが面白いか分かりません。ただ、とても魅力的な漫画です。
    上手く言えませんが、冷静でいて熱くて飄々としていて、常識的だがどこかズレている・・・どうにも捉えどころのない主人公がとてもイイのです。

    絵柄は筆ペン風にわざと荒くしている感じです。すごく力量が高いと思います。
    剣戟シーンの描写は、瞬間瞬間を切り取って並べたような独特な雰囲気です。それでスピード感が表現できているから不思議です。とにかく格好いいの一言。

    2巻では瀬能の過去が徐々に分かり始めて、これから益々気になります。


  • 80

    manga_review

    この作品は評価分かれるけど、私は好きです。表現が今までの松本先生の作品以上に好きなのです。最後の戦いを会話なしにアレだけ見せられる作家さんはそれほど存在しないです(匹敵するのは知っている限りでは、スラムダンク山王戦ラスト数秒の描写やバガボンドの吉岡清十郎戦。「ぼくらの」宇白のラストの描写とかくらいかな)ストーリーもほのぼの運びながらもキッチリシャープに締めてくるので意外なほど読み進められますね。ただ松本先生の作品という先入観で基づいて読み始めるとこのテンポは違和感があるかも知れませんね。小気味のいい馬鹿な掛け合いの類は少ないですし。でも原作者違うのだから仕方ないと思いますけど。

  • 100

    manga_review

    すばらしい作品。最初から最後まで。

    松本大洋は大好きな作家だったのだけれど、まさかの時代劇を?!・・・と。私はドラマでも映画でもその他、時代劇も大好きなものなので、うーんさすがの松本大洋でも、と裏切られるのが少々怖い思いで読み始めてみたのですがもう圧巻!特に4巻は何度でも読み返しました。

    すばらしいグラフィック
    「信州訛り」のキャラクター
    人物構成
    起承転結

    物語は時代劇の王道で堪能。
    完結号帯の「大団円」はまさにその通り。

    「鉄コン」も「花男」も大好きなオールドファンだけど、またこんな作品を描いてくれたら嬉しいです。

  • 100

    cmoa

    すごい、すごい、すごい・・・!!!
    最終巻まで読み終えた読後感は、絶句。

    1巻から読み進めてるあいだは、
    人も犬猫やカラスなどの動きや性格が、墨の濃淡と線描によって、驚くほど生き生きと表現されているのが小気味よく、物語世界が匂うように存在していることに感動していたわけだが。

    運命の8巻、木久地との死闘 そして最後のコマ。
    言葉がない。ここまで読み進めてきての、万感の思い、ともいえる。

    こんなに息を詰めて読む漫画にはめったにお目にかかれない。
    うまく説明できない。
    できれば、最終巻は桜の季節に読むべし。

  • 100

    manga_review

    表現方法は対象により変化し、且つ常に進化してる。
    絵やシーンはどれを取っても部屋に飾りたくなるくらいのアート感。
    サブカル的なこじゃれ味だけでなく、内容は十二分にエンターテイメントしてて面白い。

    こんな作家さん、いるんでしょうか。
    少なくとも自分は他に出会った事がありません。

    この作品は松本大洋作品の中でも評価の分かれる所かと思いますが、個人的には物語の冒頭から結びの部分まで、満足度が落ちる事はありませんでした。

  • 100

    cmoa

    【このレビューはネタバレを含みます】 原作付きということもあり、大洋節100パーセントの他の作品とはまた違った趣がある。
    作画に責任感や他者性を感じられ、それらがまたキャラクターを多彩に生み出している。
    漫画家である奥さまのアシストも、この作品に暖かみを添えていて、、なんとも粋な作品です。
    妖刀國房を女性に擬人したあたり、しびれました。びりびりきたー

  • 80

    manga_review

    最新刊まで読んだ感想です。

    松本大洋が元々好きだったので読んでみましたが、かなり好きな作品です。
    原作者が違うため多少他作品とは雰囲気が違いますが、その表現力は松本大洋の新境地という言葉のままに進化しているなぁと感じました。
    ただこの作品は1,2巻ではそこまでおもしろいと感じなかったのも事実でぜひ続けて読んでほしいところです。
    7巻目は特に面白い

  • 100

    manga_review

    傑作。

    最初から最後まで面白かった。
    もっと言うと全てのページ、絵が素晴らしかった。

    瞬間、瞬間、それも決定的瞬間を描いている感じ。
    まるで動画を観ているような感覚。
    この著者だからこそ描ける絵だと思う。

    ストーリーはシンプルだけど、奥が深い。
    このような芸術的作品を久しぶりに読めた気がする。

  • 50

    manga_review

    作者がちがうだけあって絵は松本大洋なものの話が松本大洋らしくないところに不自然さを感じる。
    ところどころ好きな話などもあるがほとんどが普通。

    あと個人的に調べればいい事なんですけど、昔の言葉遣いが使われてて意味がわからないところも^^;
    まあそこは評価するところでないにしても、私はいつもの大洋さん作品のほうが好きだなあ。

  • 100

    cmoa

    松本大洋さんの作品の中で、この竹光侍が一番好きです。好き嫌いが別れるような気はしますが、余計なものを削ぎ落としてあえて作る余白やデフォルメされた表現が浮世絵のようであり水墨画みたいであり。日本昔話みたいなところもあってかわいいです。この作品も何度も読み返してますが、読むたびに素晴らしいと思う。

  • 70

    manga_review

    この雰囲気、なんとも言えぬリズムの良さ。

    松本大洋の新境地。

    プロットなぞに文句を言うな。

    ただ淡々と、ページをめくる。

    そおら、心地よい音がする。



    「ちょん!」




    ホントの評価は、また完結した後の話。。。

  • 70

    manga_review

    分かりやすい面白さは無いが、
    なんだか雰囲気があるし独特の緊張感が漂う江戸の侍漫画。

    雑誌では普通でしたが、
    単行本で読むと楽しめる。

    僕も素直に面白い!とは言えないです・・・笑
    松本大洋の雰囲気が好きかどうかですね。

  • 80

    cmoa

    絵が凄まじくうまいです。うまいといっていいのか…ピカソに絵がうまいですねとか言うレベルです。こんな漫画家さんがいるのかとあぜんとします。最早漫画と言っていいのか?
    画集を買う気分で漫画を揃えたくなりました。

  • 100

    ebj

    浮世離れしていながらも、何処か猛々しい一人の青年の生き様が竹光に象徴されてます絵柄とセリフがすごくマッチしていて、稀に入る風景の匂いや風を感じることができます読んで損無し!読むべし読むべし。

  • 100

    ebj

    この本に出会えたことに感謝したい。繰り返し繰り返し読み返しているが、毎回違うシーンが心の琴線に触れる。特に最終巻付近の各エピソードは筆舌に尽くしがたい。

  • 40

    manga_review

    なぜかそこまでのおもしろさをかんじません。
    しかし同作者作品の「ナンバー吾」のような
    難解さはありません。

  • 40

    manga_review

    なんだか、これを面白いと言ってしまったら負けな気がする。ここは素直に「すいません、理解りませんでした。」