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大好きな友達の首を切った女の子。告白したら爆死しちゃう、爆死病の女の子。カブトムシをこよなく愛する女の子。普通すぎる「日常」のお隣には、いつだって「非日常」が。だけど、それは後からわかること……。珠玉の短編7話で贈る、まるで純文学のような、漫画の新境地。

橙は、半透明に二度寝する

| 講談社(出版)

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橙は、半透明に二度寝するのレビューが0 件あります

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17件のネット上の評価があります

  • 100

    amazon

    最初に1巻を読んだとき、この作品には「温かみ」を感じました。シュールでグロテスクでナンセンスな世界観なのに、どこかのんきでいるような、すべてを受け入れる寛容さがあるような、そんな感覚です。しかし、この作品を結末まで読み終えたとき、そこには温かみよりももっと温度の低い、刹那的な寂しさがあるように感じました。もちろん、それは個人の感覚であり、この作品にはあらゆる解釈のできる余地が残されています。特に最後の一編においては、一気に突き放されたような、あるいは本来あるべきところに収まったかのような、それともまるで悪夢から覚めたかのような、不思議な読後感がありました。救いがあるのかないのか、それすらも判然としない曖昧で有耶無耶な感覚。「橙」「半透明」「二度寝」……どういった意味なのかは全くわかりませんが、この作品を表すのにこれほどしっくりくるタイトルはないのでしょう。どのエピソードもいわゆる「ヘンテコ」で、ただ読み進めるだけでもなんとなく面白いのですが、ゆっくりと味わってみると、そこに込められた「何か」がある感じがします。それは作者が意図したものなのかすらわからないのですが、確実に何かが宿っています。優れた作品というのはそういうもので、知らず知らずのうちに何か魔力めいたものが宿っているものなのかもしれません。1コマ1コマに力があり、さらっと流し読みするよりは、ゆっくりと読み進めた方がさらに味わい深く楽しめるのではないでしょうか。

  • 100

    amazon

     【収録作】別冊少年マガジン 2014年7,9,11月号、2015年1,5,8,10,12月号掲載。 ・八件目「ちょっとだけ強い私になる為に」 ・九件目「人魚が正座」 ・十件目「発射する手」 ・十一件目「橋の上のトナカイ」 ・十二件目「海月の灯」 ・十三件名「少女と警官 前編」 ・十四件目「少女と警官 後編」 ・十五件目「首の皮一枚を越えた日」 (少し内容に触れています) 少年漫画界のシュルレアリスト、阿部洋一氏の前作及びに他作品の世界観を引き継いだ、ホラー怪奇と言うよりはどこか呑気だが独特の美学に基づいた夢の世界を描写したかの如き連作。 夜店の射的感覚でなぜか怪異を狩る女子高生の集団や眼帯の警官、7年振りの引き籠りから文字通り脱皮し、竹馬に乗って登校しようと奮闘する少女、人魚を捕まえた級友の目的に驚いたり、子供にプレゼントを配る役目を降りたいと申し出たサンタ少女とトナカイの反目等…。 ただ呑気では無く、時々ゾクリとさせられたり、身も蓋も無かったりする描写も。 お馴染みとなったカケアミ職人振りが際立つ拘りの背景も健在です。 最近では際立って個性的で次の作品集が待ち遠しい漫画家さんです。 大いにお薦め。

  • 100

    amazon

    阿部洋一さんの面白さが1話1話に詰まってる、短いからこそ摩訶不思議で後味が面白い「ちょっとだけ強い私になる為に」ではいきなり竹馬に乗った女子高生登場から始まる、しかし主題はそこではないが故にまた不思議でありそれでいて重要なファクターを含んでる橋の上のトナカイは、橋の上にトナカイがいる本当にいる何故いるのか…?からそこに着地するとは…という、流れのテンポが良くてそして暗い部分も秘めたオチ万人ウケしないだろうけど、確かに純文学を読んでるようでもある、そして時に繋がる物語オススメです、面白い

  • 60

    manga_review

    不思議で不条理な世界観は惹きつけられます。
    帯にあるように純文学っぽいです。

    百合やファンタジーや寓話などが混じった独特な作品からなる短編集です。

    奇怪な世界観の中で警察官が読者視点の役割をしているので、
    拒絶することなく、共感を得れる作りにもなっています。

  • 100

    amazon

    1巻にあった何か起こりそうなワクワク感、テンションがこの2巻、完結に向かうとともに弱くなっていき、プールから上がった後のような気だるい雰囲気が漫画を支配する。魚介類型エイリアンと戦う女子高生、そして1話へと繋がるラストの物悲しい空気がとても好きです。

  • 40

    amazon

    1巻が面白かったんで期待したのですがなんかすごくあっさりした読後感で拍子抜けしました。読みやすくはあるのですが1話1話がさらっとしててとっかかりがないというか1巻にあったような奇抜さ、斬新さが薄れたような・・・

  • 100

    ebj

    阿部洋一氏の作品『橙は、半透明に二度寝する』の1巻を読了。 今年の7月に 阿部洋一氏の「阿部洋一短編集 オニクジョ(2015)」を読んでから、ずっと気になってました。 で、読んでみたら・・・世界観が最...

  • 80

    ebj

    阿部洋一の新刊。出ていたのに気がつかなかった・・・。連作短編なので「バニラスパイダー」より話が締まって面白い。第6話の女教師や、日常に非日常が紛れ込んでくるシカケ、どことなく松本零士「大純情くん」を思...

  • 100

    ebj

    哀しくて、ばかばかしくて、幸せで、奇妙な世界。これはつまりマンガの形式をとった散文詩なのかもしれない。読んでときどき吹き出して、たまに自然に顔がにやついている。寂しい気もするし面倒くせえと思いもする。...

  • 0

    ebj

    変な夢を見た。と思っていたら現実だった。そんな匂いのエピソードが詰め込まれた連作短編集。日に日に大きくなっていく女の子や、街に潜む侵略者の噂など、どこかで見たような人らも次々登場。とかく現実離れした世...

  • 100

    ebj

    阿部先生ほど、「独創的」、そんな褒め言葉が合う漫画家もいない絵柄も、キャラも、ストーリーにもオリジナリティが曝け出されている腕力がある、それは確かだが、藤田和日郎先生や鈴木央先生、尾田栄一郎先生や...

  • 60

    ebj

    なんだか不穏そうな短編を集めたオムニバスということで、空が灰色だからという漫画を思い出して心がざわざわしてしまったので購入。絵のタッチがとても素敵です。魚になった五男を探しにいく兄弟たちの話が一番...

  • 100

    ebj

    日常のすぐ隣に怪異が潜む町『橙町』。この町では、親友の生首がお喋りするし、海産物型のエイリアンが侵略しにくるし、女子高生が巨大化したりする。キュートにシュールな阿部洋一の世界。読み切り連作なのが...

  • 60

    ebj

    大好きな作家さんの読み切りということで。読んでみて、相変わらずこの作者さん独特な世界観というか雰囲気というか、それらが目一杯詰まっていた印象。話に何か深い意味があるようなないような。雰囲気だけ...

  • 100

    amazon

    これまで独白するだけだし出番も少なかった警察官が対話し、物語を畳む役割を担って登場する。これら他者の追従も模倣も許さない阿部洋一の世界はどこまで進化し続けるのか。

  • 100

    amazon

    この作家の世界観と絵が好き。不条理だけど不思議と現実味感じる。版画っぽい絵が、グロをコミカルにしている。

  • 100

    amazon

    独特の世界観です。群像劇がすごい。この作風が好きな人にははまると思います。