© 講談社

人生って、とんでもねえぇぇぇ――!! 超極端な不幸に巻き込まれずに生きる、ズーズーしき「普通の人間」たち。そんな彼らに憧(あこが)れつつも、激しい憎しみを抑えきれない中3男子・住田。彼の悩みは、「自分にしか見えないバケモノ」にとりつかれていることだった……。メガヒットGAG大作『行け!稲中卓球部』から一貫して、「人生とは何か?」というテーマを問うてきた漫画家・古谷実。その魂をつぎ込んで描き出される、圧倒的な「絶望の世界」!!

ヒミズ

| 講談社(出版)

立ち読み
Ebook販売元 : コミックシーモア

ヒミズのレビューが0 件あります

レビューを投稿する

52件のネット上の評価があります

  • 60

    sakuhindb

    私は自分の性格上、まったく感情移入出来ませんでしたが、そのうえで、面白い!と思いました。何もかも投げ出して死にたいという気持ちが妖怪となって目の前に見える主人公の住田君は立派な病気でした。しかし幸か不幸か周りの登場人物とかかわることで彼らの意思にかかわらず、住田君は一日一日を生き延びてしまいます。また彼は自分の生きている意味なんかを真剣に考える真面目な子でした。友達が万引きをしたお金をくれても、貰わないどころか本気で殴って絶交しようとするほどなのです。自分が父親を殺したあとも、そのあとつかまったんじゃただの父親殺しで終わってしまうのを嫌い、どうせなら他に悪人を見つけてその後自分も死ぬと決めているのです。自分にはもっと力が有るはず、何か出来るはず、何をするために産まれたんだ、と10代の頃なら(たぶん)誰もが探す自分の本当の力を探し求めるのですが、どこかでそんなものない、自分はつまらない人間だ、と思ってもいるのです。これは文豪が小説でも取り上げる難解なテーマです。なぜなら、悩んでる本人の苦悩の100分の1も他人は共有できないからです。このネガティブスパイラルに陥ってる人には大概どんな説得も無意味です。茶沢さんの最後の説得が身を結んだように見えてやはり自分の幕を自分で引いてしまうところはこのテーマを扱った以上、おそらくは自然なことなのです。その一方で正造は何も考えない性格が幸いして社会復帰してしまうのですから長生きしたいなら、難しいことは考えないことだ、ともいえます。この作品の中では強姦をした人も、殺人を犯した人ものうのうと生きており、生きなければならない、死ななければならないといった生きる意味など全く無価値だという大前提がこの作者の真骨頂だと思います。とまあ、わかったようなことを書きましたがとりあえず1回読んだだけです。また必死に生きようとしても若くしてなくなってしまう方たちがおられることを思えば、愚劣な話だ、と言えることもわかっていますが、自分中心の、自我が肥大していた時代、自分の力を過信し、他人を見下していた若いころを思い出すと、一気に読んでしまう面白さが有ります。エンディングもあれで文句なし。評価は、良い、です。ヒメノアールも読みましたがこのテーマでは作品の質にかかわらず、私にはつまらない見栄と、モラルが邪魔をして、とても良い以上をつけることは難しいような気がします。

  • 40

    sakuhindb

    この作品はクズみたいな人間、カスみたいな人間が多く登場しとことん暗くて鬱めいた感情が渦巻いて、重苦しい救いのない絶望感で包まれています。人によっては読んでいて気分が悪くなり堪えられないかもしれません母親が失踪して父親に手をかけたときから始まったオマケ人生。悪人を殺して自分も死ぬことを目的として、行動としては完全に病気で気持ち悪いですしかし自分とは関係のない事件でも実は身近に起こり得るというのが今の社会ですので現実味がある狂気として惹きつけられる怖さはあったため、、、評価には非常に悩みました。作者のマンガ家としての技量は高いものがあると思うし、生きるとはどういうことなのかを書き綴ったテーマ性は一貫していました。それが全四巻と短い巻数でまとまっていたのもまた素晴らしいここまで、とても良い〜とても悪いあたりで、どう評価しようか幅広く悩んだのは初めてです。ですが、やっぱり趣味が悪いというのと、なにより古屋さんはこの作品をキッカケに何作も同じ方向性の作品を書いているという事実がどうしてもマイナスの評価になってしまいますそのため評価は非常に悩みましたが【悪い】とさせていただきます。もし古谷さんがこの作品だけで道徳漫画のキャリアを終えていたら良いよりも上の評価になっていたことでしょう

  • 80

    manga_review

     若い時代の毎日の気だるさや将来に対する不安をこれでもかってほどリアルに描いていると思う。漫画的なわざとらしい盛り上がりがないところもリアル。

     ハラハラする場面を書かせると彼の右に出るものはいないと思います。特に正造が住田君のために金を盗むシーン。どんどん先へ先へ読まずにはいられなかったです。

     そしてラスト。
    少しばかり希望が見えてきたところで、やはり未来を信じられなかった住田君。最後の最後までリアルさを追及したあの裏切り方。余韻が残ったのを覚えています。

     最後の朝、隣に住田君が寝ていないことに気づいた茶沢さんが外に様子を見に出たシーン。あのときの茶沢さんの無表情がすごく好きです。
    おそらく「どこいったんだろう?」という漠然とした不安と、それでも最悪の想像はしていないであろう、複雑な表情が絶妙に描かれていると思いました。

  • 100

    manga_review

    魂を揺るがし、人生に影響は与えないが、
    人間の負の部分、本質そのものを描いた作品。
    救いのない内容で最終的にも救いがない。
    だが、こんな話は現実でも数多く存在する。
    そういうリアリティを追求した意味では並ぶ物がない無双な作品。
    茶沢さんにはあの現実を受け入れた上で強く生きていって欲しいと思ったが、現実はなかなかそうもいかないだろう。
    傑作でいて、無常としか言いようがない。
    反面、エンターテインメントとは、ジャンルを問わず予定調和的で、そもそもファンタジーなのだと気付かせてくれる作品。

    極論を言えば、さっきまでは希望を感じていて、愛する者と一緒に夢を語っていたりしていたのに、次の瞬間には車に轢かれて肉塊になっているようなのが現実。

    これほど極端に賛否両論が別れ、読み手を選ぶ作品はない気がする。

  • 80

    manga_review

    下層から最下層に転落し、閉塞感が広がるとともにおかしくなっていく主人公を描ききった話。そこから一切浮気せず、四巻でぱっと終わったところが良い。
    推理小説内の殺人は全貌が明らかになる一方で世間は未解決事件で溢れかえっているのと同じで、外部からの説教で人を救えるなんてことは現実には滅多にない(今まで自分にされた説教を思い出してほしい)、ということに気づかされる作品。
    理由はよく分からないが主人公を好きになる人がいる・小汚い変質者が多数登場する、という古谷漫画の共通点も、ここでは話の流れとマッチしているのをはじめ、とにかく不自然さが無い。
    雰囲気が終始一貫していて、流れを壊してしまうようなことが起こらず、だから他の漫画には当たり前にあるようなことが無く、オンリーワンの漫画だと思う。

  • 50

    manga_review

    理不尽であるが、理に合わせて次々行動を起こしていく。
    「伏線」とは呼びにくいがそんな感じでした。
    Aが起こったからBが起こって、だからCにたどり着く。
    逆を言えばAが起こらなければCと言う結果にはならなかったんじゃないかということ。
    たまたまが始まりであって、それからは決まったこと。
    偶然と必然のバランスがぴか一でした。
    ただ、偶然があまりにも出来すぎたりするところもありました。

    中身として一貫して空気を見せるのがうまく、流石の作者だと思いました。悩んでいるけれど、何も出来ないという苦悩を良く現せていたと思います。

    ラストシーンはありだとは思いますが、その手前3話くらいはなんだか不思議な感じがしました。

  • 100

    sakuhindb

    普通の少年が、大人の身勝手な行動によって不遇な境遇に追いやられ、その未熟な精神故にある極まで突っ走ってしまう哀れさを丁寧に見事に描ききった作品で、商業誌でこれほど重いテーマをあつかった作者の気迫は真剣に受け取って考えさせるに足る何かがあると思う。全てのマンガでの出来事が、ラスト数話で1点に収束していく様は読んでいて鳥肌が立つ程の感銘を受ける。このマンガは、作者の告発であり説教に近いものだ。誰もが思い当たるエゴイズムや身勝手さを告発し容赦なくその行動の帰着を激しい形で見せつけられる。このマンガの異様な居心地の悪さはここにある

  • 60

    sakuhindb

    【良い点】・おそらく下敷きは「罪と罰」だろうが、作者なりのアレンジが良く出来ていた。心を抉りつつ、行き着く先が気になる描写の迫力、キャラ個性・衝撃の結末とやるせない余韻【悪い点】・序盤の「稲中」的なノリ・人殺しの共犯になった夜野が主犯との因縁を片付けるとすんなり日常に戻った・ラストは連載版でのヒロイン茶沢の「何それ?」で終わった方が余韻が一層深まったので、単行本修正は要らなかった【総合評価】その後、舞台や映画化もされていて、作者シリアス路線での原点であり最高傑作ではと思える作品。評価は「良い」。

  • 50

    manga_review

    うわっ、暗っ!何でしょうコノ雰囲気は・・・
    どうやら読者にウケるとか関係なしで描きたいものを描いたという感じがします。

    もちろんお話の上手い作家さんですし今までの実績もあり読まされてしまうものの、主人公に共感はできないですし気分を楽しくさせてくれる訳でもありません。

    古谷実の「異色作」であると思います。

    とても読む人を選びます。気を付けてください。

    ただし感情移入できないのは自分が恵まれた環境にいるからなのかもしれません。

    所持巻数 全巻

  • 70

    manga_review

    おいこれ面白いから読んでみろよ!
    なんて軽々しくオススメ出来る作品ではありませんが
    個人的にすごく面白かった。

    主人公の考えや心境とかに自分を重ね合わせてみたり共感したりと
    リアルだからこそ楽しめるものがありました。

    最後まで鬱だけど最後まで鬱だからこそ良かったと思う。
    終わり方がすごく好きです。このやるせない感じがすごく。

    万人受けは絶対しないけどちょっとは共感出来たりするはず。
    現実を見たくなったら一読是非(笑)

  • 80

    manga_review

    万人向けではないですね。

    心にも物理的にも闇を持ち、文字通りアンダーグラウンド(地中)にもぐりまったく日の目を見ることのない(いやもしかしたら必要ですらない)生態系を持つ住田をヒミズという動物に照らし合わせているメッセージ性は強烈です。

    終わり方に賛否両論がありますが、ヒミズは地上に出してもらって果たして生きて行くことができるか?ここに本書のテーマ性のひとつがあるような。

    ヒミズ=日不見、日見ずですから。

  • 100

    cmoa

    【このレビューはネタバレを含みます】 この漫画を不可解だと思える方は、幸せな方だと思います。
    恵まれない環境で生まれた、不器用で凝り固まった少年が徐々に心を侵され、友達がいて、恋人に促されても結局自分の心に打ち勝てなかったラストは、読んでいて胸を締め付けられます。
    抽象的な書き方をしている部分もありますが、現実世界でも同じような心の病気を持った人はたくさんいます。是非一度読んでみて欲しい漫画です。

  • 80

    sakuhindb

    受け付けない人には、本当に受け付けない漫画だと思うんだけど、個人的には感動した。『人を殺してしまった』という話だけど、割とそのテーマの他作品だと、押し付けがましい考え方を展開する作品が多くて、共感できないものも多かった。ヒミズに関しては住田の考え方に共通認識を持てる人も多かったと思う。全4巻で読みやすくも、読みごたえのある作品になっていて、なかなか感動させられる。結末も躊躇なく締めたとこが心に刺さる要因。

  • 40

    manga_review

    なんというか、面白いと言っていいものなのか何なのかわからない作品でした。つい読んでいってしまうのですが、これは楽しんで読んでいるかというとそういうわけでもない。レビューが難しいマンガです。暗いのは間違いなく、妙なリアルさが二読目を阻むような衝撃を与えます。当時なぜか近隣の本屋では売っていませんでした。県外で入手していた記憶があります。ヒミズってこのマンガで初めて知りました。

  • 80

    cmoa

    もしかしたら自分も明日にはこんな風になるかもしれない。

    この漫画は、「行け!稲中卓球部」でギャグ漫画の金字塔を築いた古谷実が描いたとは信じ難いほどに薄暗く、重い。

    しかし希望を見出だせない展開が続く中で、それでもページを捲る手が止まらないのは、一重に作者の静かな熱が紙面からひしひしと伝わるからだと思います。

    読後の余韻は私達の心に深い爪痕を残すでしょう。

  • 100

    cmoa

    【このレビューはネタバレを含みます】 「殺してはいけないのか」というテーマ。それだけに凄く読みごたえのある作品。結局「決まっているんだ」という一般論で締め括られるわけですが。。
    住田君の心理描写はやはり心に刺さります。
    自らのストイックさに途方にくれ、ふと温もりを求めるシーンに泣きました。。
    怪物の正体は「殺意に対する理性」なのかなあ。。

  • 70

    manga_review

    ギャグ漫画の巨匠が作風を刷新して、非常に話題作の本作ですが
    細かなギャグは作者の持ち味がそのままなので、期待外れということはないかと

    本筋の、存在理由や人生観といった内容は陰鬱で人を選ぶと思いますが
    個人的には、非常に読ませる内容だったと思います
    とにかく救いのないストーリーで、黙々と進行します
    エンターテイメント的なものを期待する方には、合わないかと

  • 60

    manga_review

    本作を発表して以降、古谷実はこの路線を突き進むこととなる。
    言語のみに捉われず、視覚的な試みに意欲的に挑んでいるため、物語は停滞しない。
    青臭さを全体に匂わせつつも、志の高さで最後まで乗り切っている。
    文字を読むことと、絵を見ることといった、漫画の持つ特性を読者に強要する感覚が素晴らしい。
    強さと弱さを兼ね備えた、ギリギリの所を従来する秀作。

  • 70

    manga_review

    作者にとってシリアス路線への転換作であり、その後に類似作が多いですが、本作が最高傑作ではないかと。序盤は以前のギャグ漫画ノリが残っていますが、一巻終盤で主人公が天涯孤独になってからは、センスあるダークサスペンスになって行きました。衝撃ラストの余韻は凄いです。ただ、そこは一シーン加わる連載版の方がより良かったので変更意図は良くわかりませんが。

  • 80

    cmoa

    【このレビューはネタバレを含みます】 ほんと、一言で内容表していますね。さすがです。確か日見不。

    あと、ホームレスのおやじだけは許せんキモさ…ですが、主人公に悪い人だと気付かれなくてよかったです。主人公の絶望が深くなっちゃいますもんね。

    それにしても、古谷実さんにはハマりますわ〜。稲中世代だったので、色々読めて嬉しいです。

ネット上のイメージ

ギャグ
シリアス
感動
絶望
怖い

イメージの近い作品(ランダム)

  • NGライフ
    冴木敬大の前世は1900年前のポンペイという都市で生活していた青年。自分の前世を覚えている敬大のまわりは前世でかかわった人たちばかり!! 最愛の妻は男子中学生に、大親友だった男は女友達に…などなど、前世とは違う関係に苦悩する毎日で!?
  • フリンジマン
    場末の雀荘に集まった4人の男たち。彼らはある共通の願望で繋がっていた。その願望とは「愛人を作りたい!!」という清々しいまでに不純で、申し開きできないくらいにストレートなものである。そして男たちは『愛人同盟』を結成する!! 不倫のベテランである井伏(通称:愛人教授)から、愛人作りのノウハウを伝授される田斉たち。果たして、彼らは愛人を獲得することができるのか……ッ!?

イメージの近い作品(知名度:高)

  • 銀魂
    92 銀魂
    【デジタル着色によるフルカラー版!】江戸では、突如宙から舞い降りた異人「天人」の台頭と廃刀令により侍が衰退の一途をたどっていた。しかし一人、侍の魂を堅持する男が…。その名は坂田銀時。甘党&無鉄砲なこの男が、腐った江戸を一刀両断…するかも!? ※巻末に「だんでらいおん」(モノクロ版)も収録。
  • SKET DANCE
    学園生活の中で、誰もが一つや二つ抱えてしまう悩みや問題。それらを何でも解決してくれる、学園生活の助っ人になってくれるヤツらがいた! 彼ら学園生活支援部――通称“スケット団”に、今日も仕事の依頼が舞い込む!!

イメージの近い作品(最近)

  • 金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿
    やめろ金田一! みんなの前で俺のトリック暴かないでくれ…!! SNSで大反響! 金田一少年に謎を全て解かれた“犯人視点”スピンオフ! 第1巻は、オペラ座館殺人事件、学園七不思議殺人事件、蝋人形城殺人事件、秘宝島殺人事件、そして制作舞台裏を初めて明かす特別描き下ろし『外伝煩悩シアター』を収録!
  • 夫のちんぽが入らない
    発売即13万部を突破し、各メディアやSNSで大反響を呼んだ衝撃の私小説『夫のちんぽが入らない』(こだま・著)。繋がれない痛みの中で懸命に生きる女性の半生を、『R-中学生』『水色の部屋』のゴトウユキコが鮮烈コミカライズ!学校、社会、そして男女の関係。様々な場所において彼女を苦しめたのは、「普通」という名の「呪い」だった――。生きづらさを抱えたすべての人達に捧ぐ、絶望と希望の人生譚が幕を開ける!!