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20世紀最後に放たれた、恐怖の大巨編「世紀末サバイバル」!! 修学旅行帰りの新幹線は、突然のトンネル落盤事故によってすべての光を失った……!! 闇につつまれ、血みどろになった凄惨な“墓所”。生存者はテル、アコ、ノブオ、3名のみ。ほか全員、即死……。酸素も食料も出口すらも断たれた少年たちは、次第に壊れゆく「心」と闘いながら、動きはじめる。たったひとつの“希望”――「東京に、家族のもとに帰ること」を、生き延びるための支えとして……!!!!

ドラゴンヘッド

| 講談社(出版)

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ドラゴンヘッドのレビューが0 件あります

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183件のネット上の評価があります

  • 60

    amazon

    近代では最も有名な恐怖マンガ代表格ともいえる作品。いまだに賛否両論が止まない作品でもある。まず作画だが、これは私は十分アリだと思う。ぶっちゃけた話、ぜんぜん巧くない。しかし、その汚い線運びや不気味に歪んだパースが、おどろおどろしい雰囲気の物語に妙にマッチしている。物語の暗さと絵柄の不気味さ。ホラーマンガにおいて、なかなか良い組み合わせだと思う。ストーリーも私は嫌いではない。謎の大災害により、脱線し死体だらけとなった新幹線の中に、偶然生き残っていた主人公『テル』が取り残されるという壮絶なシーンから物語は始まる。そしてもう一人、偶然生きていたもう一人の生存者『アコ』と共に、家のある東京に向かうこととなる。謎の大災害により、旅の舞台は全て、つい最近までの原型をとどめておらず、崩れ落ち死の灰が降り積もり、生き物の気配すら全くしない。食料の確保さえ困難な極限状態。出会う人間はほとんどが多かれ少なかれ発狂状態に陥っており、平和な日常からは考えられないほどの様変わり要がまざまざと描かれている。そして出会う、新たな仲間や謎の不気味な集団…とにかくストーリーが恐く、一瞬も油断できない展開である。死への本能的恐怖が、ページをめくるごとにつきまとってくる。コマ割りや時系列のスピード感も適切で、緊張感ある展開を違和感なく楽しめた。ここまでは良い。非常にいい。ここまでだったら文句なく五つ星の作品だ。しかし気に食わないのは、壮絶な旅の果てにおとずれる『ラストシーン』…これの演出がこの作品の価値を爆発的に下げている。まったく持って意味不明。ストーリー中盤からラスト直前まで、物語はものすごくヒートアップする。本をつかむ手がじんわり汗ばむ程、緊張感ただようスリリングな展開で引き込まれる。そして、ラスト!!…え、えぇ〜!?なに!?これで終わり!?!?あの壮絶な旅は、こんな陳腐なラストへの伏線だったのか…と考えると、それまでにハラハラドキドキしながら読み進めてきた意味が全て台無しになる。最後のシーンさえ良ければ、歴史に名を残すほどの名作だったはず。『終わりよければ全て良し』とはよく言うが、この作品には『終わりダメなら全てダメ』と言いたい。惜しい。惜しい。惜しい。非常に惜しすぎる作品だと私は感じる。

  • 20

    sakuhindb

    【良い点】皆さんおっしゃっておられるとおり、最初の新幹線のくだりとノブオとかまではよかった恐怖感も、狂気も楽しめたし、嫌いじゃないっす【悪い点】エヴァなんかとおなじく、風呂敷を広げるだけ広げておいて、読者の期待を煽るだけ煽ったはいいけど、収集がつかなくなって尻すぼみでふんぞりかえってるのが一番許せないです風呂敷なんて、畳む覚悟がなけりゃ、どんな凡才だって広げられます【総合評価】畳まない、あるいは畳む見通しのない風呂敷って、一種の詐欺だと思います伏線も、張るだけ張っといて、全部未回収しまいには、東京についてからとってつけたような、作者が思い出せる範囲の伏線ですら、ばらまくだけばらまいて、回収できてないってのも……同じく絶望感が背景にあるにしても、実に執筆期間で言えば10年ものの伏線を華麗に回収していった、あさりよしとおのワッハマンとか、同じく超絶長いスパンで伏線回収したからくりサーカスとかと比べて、「ハナっから回収するつもりなかったんかぃ」と突っ込んでしまいました鳥居の文字(意味は、知ってる人なら知ってるけど)とか、最期の変な集団とか、せめてそんくらいは回収しようぜおい、て感じですあと、ノブオのボディペイントが後半の変な人々達と一緒だったりするの、作者的にひょっとすると伏線華麗に決めたつもりかもしんないけど、なんでじゃぁノブオがそれ知ってんだよ、て突っ込み入れたくなるしせめてとってつけたみたいでいいから説明して欲しかったノブオが東京で変な人たちに接触していたみたいなことを、初巻でこっそりやってたら、見事だったんだけど地金にあたるストーリー展開もちぐはぐで、時間感覚や書き込み、新幹線のときの濃密さに比べ、他の薄さが酷いなんかもう、初めからストーリーそのものを設計してなかったとしか最終回も、衝撃のラスト、といえば聞こえがいいけど、ずさんなストーリーの骨格のせいで「あー、ただ単に描けなかったんか」と感じました題材は面白かったし、広がる伏線にワクワクしてただけに、ずーん、ときました金返せ的な意味で

  • 40

    manga_review

    竜頭蛇尾的世紀末絶体絶命危機漫画。

    これまでの漫画などで描かれる「終末」は、
    何らかの形でケンシロウみたいな感じのヒーローが現れ、悪役をぶっ倒し、壊滅的状況を打破するパターンが多かったけど、これは違う。
    なんというか、絶望的。
    どうしようもない空気。
    死との恐怖につねに曝されながらも、
    必死こいて生きる3人(一人は狂って人間じゃなくなってしまうけれど)

    で、作品の冒頭のシーンは怖いし、迫力がある。
    あれは当時(小学生)読んでいて頭がぶっ飛ぶくらいの衝撃だった。

    父親が買ってきた漫画を勝手に読んで、
    「うわー、これ面白そうや」
    と思ったのが運のつき。
    あまりの怖さ泣き、絶望的な空間に驚き、
    「はたして3人は脱出できるのだろうか・・・」
    と疑問に思いながらも
    「問題の本質って何なんだー!」
    と同時にやきもきさせられました。
    重苦しい雰囲気に耐えられなくなって、3巻までしか読まなかったのですが、もっと精神的に
    大きくなってからそれから続きを読み始めたわけだが・・・。


    その後、ずーっと絶望と閉塞と狂気が続いていって、で最後に「圧倒的な絶望の先にある希望とは?」と読者に問いかけて終わるんだけれども、「えっ?あまりにもそれは突き放しすぎなんじゃないのか作者は?」とガックリした。

    「自然の驚異もたしかに怖い。しかし、本当に怖いのは人間なのだ」というメッセージ性は良かった。
    でもさあ、いくらなんでも文字を詰めすぎだと感じたし、
    終盤での世界観の広がりをまとめられなかったラストといい、
    あまりにも説明口調すぎる所といい(「究極の恐怖」がどうのこうのといきなり語られても困る)といい、あまりにも話の練りこまれなささというものが見えてしまったと思った。

    色々な意味で残念な作品。
    なお、映画版は駄作らしい。

  • 100

    amazon

    けっこういろいろと賛否が両論な本作ですがこれだけは間違いなく言えます。映画盤よりは面白い(映画は原作を越えない、ということがやはりここでも立証されました)。ストーリーはいろいろなところに書かれているとおり、天変地異が起こって今までの暮らしや豊かさが失われたとき、究極的に人間はどうなるのかというものです。大事な点は、ここでは天変地異と書きましたが、何が起こったのかが最後の最後まで明らかにされないことです。ヒントとなる断片は適時提示されていきますが、問題の本質は何なのかはつまるところ登場人物の誰一人として知らないのです。主人公である少年と少女を中心に二人が東京にある自宅を目指す過程で何が起こったのかが明らかにされていくという流れになっています。ここがこの作品のミソでしょう。言ってみれば、ミステリーと同じ手法で描かれていると言っても良いかもしれません。また、細部にこだわってリアルに描くことを筆者は心がけているような印象を受けます。具体的には、こういう状況で病に倒れたらどれだけ命の危険にさらされるか、薬を手に入れることがいかに困難になるか、銃の登場により人間心理はどう動くか、食糧の確保、性的衝動はどう処理されるのか、などです。この作品がリアルであるという評価はおおむねこの点にあると思います。物語自体がリアルかどうかを問うことはさほどこの場合意味のないことでしょう。それよりも、今現在の我々の生活というものがどれほど微妙な均衡の上に成り立っているのかということを考えながら、あるいは感じながら読み進めていくと面白いと思います。

  • 60

    amazon

    私はやはり終わり方に納得がいかなかったクチです。別に、異変の謎を解明してほしかったというわけではありません。むしろ謎を明かさないままなのもありかと思ってます。ただ、もう少しラストに希望が見える終わり方をしてほしかったです。最後に主人公が生きる勇気を持っても、あの状況じゃどう見ても絶望的すぎて後味が悪かったです。読み終わったあと頭の中でモヤモヤがしばらく続きました。あと、伊豆の暴徒達がああなった経緯をもっと詳しく説明すべきだったのではないでしょうか。生きるために精一杯努力してきたが、最後に皆で死を選び、大勢の市民を皆殺しにせざるをえなくなって苦悩する姿とか。あれだけだとどうも現実味に欠けます。一人も「いや、何としてでも生きよう!」という人はいなかったのでしょうか。あとショッピングセンターでいきなり竜巻が起きて巻き込まれるてしまうのも、どうも現実味が…異変のせいで竜巻が起きやすい状況だったのかもしれませんが、それも作中で軽く説明すべきだったのではないでしょうか。細かいことかもしれませんが、そういうところで、ああ、これは物語なんだな、ってふうに私は醒めてしまうのです。作者は恐怖に翻弄される人間模様を描きたかっただけで、最初から深いテーマ性は設定していなかったと思います。私はこの漫画に深いテーマ性は感じませんでした。単に、次々に巻き起こる異変の連続にハラハラしながら読むのが、この漫画の正しい読み方ではないでしょうか。

  • 40

    manga_review

    「家に帰るまでが修学旅行」とはよく言うが、この漫画も家に帰るまでを
    追いかけ、修学旅行の本来の趣旨どおり何かを学ぶ、その過程を描いた漫画。
    恐怖へと追い込まれる演出もいいし、そこから狂気へと至る性もよく描けており、
    同じく恐怖とそれに支配される人間をテーマにした「漂流教室」の正統な
    後釜的傑作となるかと思いきや・・・である。
    賛否両論というか否定の方が多いであろうラストにやはり問題がある。
    「読者に考えさせる」系の締め方に異論はない。問題はその内容である。
    終盤での文字の洪水のおかげで、本来読者が自ら考えるべき「恐怖の正体」や
    「狂気に侵される人間の脆さ」といった主題がほとんど語られてしまい、
    読者が想像する余地すら残らなかった。特に、あるキャラの説明的すぎるセリフの
    せいで、ラストで読者が突き放された後に残るものは、本来作者しか知り得ない
    「この後は?」とか「富士山噴火?の原因は?」といったストーリーの
    末節部分に対する疑問しかなく、単なる破綻したサバイバル漫画に成り果てた。

    読者はそこまでバカではない。セリフでクドクドと説明しなくとも、
    意識下無意識下のうちにテーマを感じとり気付くのである。
    そしてそこから自ら考えたどり着いた結論こそ、自らのものになるのである。

    このままではテーマがはっきり伝わらないのではと考えた結果なのだろうか。
    名作といわれるものは、得てして多くを語らないものであるにも関らず。

  • 100

    sakuhindb

    以前、家族が購読していた縁で手にとりました。いやいや、一気に読まされましたよ。寝食も忘れて没頭した漫画は、あとにも先にも「あずみ」とこの作品だけですね。グランジやスラッシュメタルをガンガンにかけて読んでました(笑)テルが荒廃した街を彷徨する場面には、メタリカのマイ・フレンド・オブ・ミザリーがぴったりはまったのを覚えています。「ある日突然、世界が終る」というシンプルな筋書きをもとにしてここまで掘り下げて描き切った望月氏の力量には心底感服しますね。とにかく全編にわたって、あらゆる読み手を引き込まずにはおかない原初的なパワーに満ちあふれています。それには不気味な絵の手柄もありますが、何よりも「恐怖心」「生きていくことの意味」「死とはいったい何か」といった普遍のテーマを終始一貫して追求しているところが大きいのではないでしょうか。ラストを救いととるか、絶望ととるかは人それぞれでしょうが私は人類再生への足がかりと解釈しました。テルは胸のうちで述懐しています、すなわち「僕たちも想像できるはずだ。未来を、新世界を」と。学校の友人たちも、家族も、仲間もすべて死に絶え、あとには一人の少年と一人の少女だけが残された。この時、テルとアコは新たな世界への希望をつなぐアダムとイブになったのです。「最後の最後まで嫌な気分しか残らなかった」という方が多いようですが逆に私は、最後で少しだけ救われた気持ちになれたのでした。

  • 60

    sakuhindb

    【良い点】・トンネル脱出編数多くあるサバイバル系マンガの中でも屈指の引き込みです。あまりの絶望的な状況にノブオが、ああもなってしまったのも理解できてしまう気がするしテルとアコは最初にこれだけキツイ状況を乗り越えたからこそ過酷な帰路の旅にも耐えられたのかもしれません【悪い点】・先細り最初が一番怖い。ピークが最初というのは物語としては弱いです・最終巻のオチオチを回収せずに完結させた作品を投げっぱなしのジャーマンと喩えることがありますがこれはジャーマンスープレックスホールドで試合終了させました【総合評価】ぶん投げオチの漫画というとまず思い出してしまうのがこの作品。ただし風呂敷を広げすぎて畳み方に失敗した。というのとは少し違い、オチのためにわざわざ広げて、終わることを目的として広げているのは珍しいです絶望から必死なって逃げ出した先には絶望しかなかったわけですけど、一気にSFになっていこうかという転換場面で突然の -完- 。なんという絶望ENDでしょうか。ふたりの旅の終着としても物語としてもほんとうにわけがわからないよあくまで最終回の最後が酷いだけで、そこまではずっと面白いんですが、オチの印象ばかりが記憶に残ってしまって内容全部持っていっちゃった感があります。おもしろかったハズなのでなんとなく【良い】とさせていただきますけど、、、そういえば内容についてはほとんど触れてないですね、まあいいか

  • 100

    cmoa

    他のレビュー者の仰る通り、最初の一ページ目から何やら不吉なイントロで、早速死体が転がるシーンだった。レビューを読んでおいてよかった、という戦慄の物語の始まりだった。

    暗闇の中で恐怖心と戦わなければならない状況、数人だけ『生きる』環境になり他人を信じるべきか裏切るべきかの環境、どうすれば『生き延びる』か、何を『生きる目的』とするのか、を考えないといけない場面、こんな事を経験していないので、


    私って平和ボケしてるな


    と思った。勉強にもなった。世界中でテロや戦争があるが、そういう国々をさしおいて、日本ほど怖い国はない!と言われているらしい。なぜなら


    日本は地震国


    だから。このマンガでは、なぜ冒頭のような結果になったのかの結論はなかったが、
    『関東の大地震』
    『関東の大地震が誘導した日本列島の各地で地震』
    『地震による富士の火山』
    『日本の地形変化』
    『東京に活火山』
    『政治経済の麻痺』


    並べたらこんな感じかと思った。

    読み終えて直ぐ、日本がこうなる可能性は十分あるな、と思った。


    読み終えて数日後、宮城の地震、それが誘導して長野でも大地震があった。関東の鉄道も麻痺をした。驚いた。これがまだ序章だったらどうしよう、と不安になった。日本を縦断する大きなプレート層はいまだ、出番待ちで日本列島のはるか地階に潜んでいるんだから。


  • 100

    amazon

    古本屋で試しに1巻買って読んでみたらすごい面白くてそのあと本屋に足を運ぶたびに探して買い集めて、どうしても見つからなかったのは注文したりして10巻全部集めた!!!それほど面白かった>∀<最後のオチが???な感じだったりするけど、こんなに俺の心臓を限界まで圧迫しながらページをめくらせたマンガはいままでなかった!っつってもいいくらい!実際に日本がこんな世界になったら、テルとアコみたいに現実に負けずにサバイヴしていく自信は俺にはないよー!ってくらいテルとアコを応援したくなる!すげー!そこまでかたい話じゃないし、この際「なんで日本がこーなっちゃったんだろー?」なんて深入りせずに、頭空っぽにしてテルとアコになり切っちゃってください(笑)。作者もそんなこと関係㡊??く、「恐怖」に負けていく人間の愚かさをただ描きたかっただけなんだと思うし。ってかこのマンガは最終回がすごい???なので好き嫌いが分かれるマンガだけど、それ以外は普通、いや普通以上にマンガとして面白いとこばっかりなので、なんか最近のマンガつまんねーなーって思ってる人はゼヒ!読んでみて!!>w<1巻・2巻だけまず読んでみて!それだけでもひとつの作品として成立するマンガだから!!面白いと思ったら続けて読んで!!!そっから先はもうほんとに頭ん中空っぽにして楽しんで!!!!!!!!

  • 100

    amazon

    3年ほど前、ソウルに旅したとき、思いがけずこの「ドラゴンヘッド」という漫画に出合った。韓国ではもうずっと前から日本の漫画の海賊版がはやっている。本屋では日本と韓国のオリジナル漫画が半々ぐらいで売られている。私がこの漫画に出合ったのは単行本ではなくて、コミック雑誌である。ここでも韓国オリジナルと日本のそれが半々ぐらいなのだが、なんとこの漫画が雑誌の巻頭を飾っていたのである。物語はまだ単行本にして二巻目ぐらい、新幹線から脱出して地上に出てきた直後ぐらいであった。韓国の若者は正直だ。韓国でマンガ雑誌は少ない。その中でこの作品が一番インパクトあるものの一つとして選ばれていたのである。韓国の若者たちはこの都会が終末期を迎えているかのような物語に何を感じているのだろうか。日本の終末なのだろうか。それとも日本の都会とほとんど変わらないソウルの街に住んでいる自分達の未来なのだろうか。やがて日本ではこの物語は10巻で最終巻を迎えた。日本の若者たちはこの本のメッセージをちゃんと受け止めただろうか。そしてその上でなおかつこの物語のメッセージを否定できただろうか。この物語は強い強い問いかけの物語である。物語の中に「現状」や「未来」に対する「絶望」が浮かんでは消えていく。韓国と日本、どちらの若者がこの物語を乗り越えて行くのだろうか。

  • 60

    manga_review

    世界終末サバイバルもの。

    パイオニア的作品が「サバイバル」なのは間違いないし、敬意は払いますが、それを遥かに上回るスケール、リアリティで魅せてくれた作品です。

    特筆すべきは、終始絶望感、緊迫感、閉塞感を纏った描写力や世界観で、極限の心理状態を描ききっている。
    常に切羽詰まっている人々の目が良いです。

    特に1、2巻の、事故が起きた列車内での掴みは素晴らしかったと思う。
    読み手に「何が起こったか分からない」という臨場感を見事に与えてくれた。

    列車から脱出してからは不謹慎ながら「思ったよりやばい事になってんなー」と、ワクワクした記憶があります。

    特にクライマックスの、まさに今、東京が壊滅していく迫力は凄まじかったです。
    映像を見ている様にかっこよかった。
    連載時「どんだけ休載すんねん!」と思ったが、納得の描写力。

    結局テーマはロボトミーだったのでしょうか。。。

    どんな現実でも逃げずに立ち向かう、
    人は想像出来るという、
    という、捉え方によったら陳腐なテーマかもしれません。
    でも、あれだけ崩壊した世界で、これ以外の終わり方は無い様に思いますけどね。

    ただ、やはりどんな状況になろうと、日本人の性質上、暴徒にはならないと思う。
    というのは私の持論。

  • 100

    amazon

    今更ですが…十数年ぶりに読んでみて、初回に読了した時の印象とあまりに違っていたので驚きました。以前読んだときには、大風呂敷を広げてこのモヤモヤな終わり方はなんだと思いもう二度と読むことはないだろうと押入れの奥に放り込んだものでした。それが今回の3.11大震災があって、ふっと思い出したのがこのマンガでした。それでも大災害パニック物のマンガなんて、しばらく手にする気がおきず震災の不安から少し解放されたつい最近機会があって読んでみました。きっと以前はストーリーの上っ面だけを追って読んでいたんでしょう。テルとアコはどうなっちゃうんだろう、この異変の謎はどう解き明かされて、どう決着するんだろう…でもそういった事がテーマの本じゃなかったんだというのが、今更になってわかりました。今ではこのラストにも納得がいくし、微かな希望の灯を感じる事も出来ます。ただラストにテルが到達する心の境地までの展開が速いっ!圧倒的な恐怖と絶望、それを克服しようとする心の葛藤人が強く想う事の力も理解できるような気がします。十数年前がっかりした人たち、ぜひもう一回読んでみて下さい。もしかしら私のように、え?この漫画ってこんな事語ってたのか、深い話だったんだー、と発見するかもしれませんよ。

  • 50

    manga_review

    絶望の先にあるのは。。。希望?絶望?

    人が壊れていく様がよく描かれていて、
    序盤トンネルでの全く予測のつかない内容に、
    ぐいぐい引き込まれてしまいました。
    生き延びようともがく主人公たちは、好印象でしたが、
    ちょっと追い詰めすぎなところがあり、同情を買ってしまいます。
    絶望の中にもわずかな望みがあればいいのですが、
    畳み込むように絶望と恐怖を与え続けたのは、
    バランス的な問題からいってもあまり良い展開とはいえなかったです。

    不可解な終わり方は、破滅パニックものではよくあることですが、
    過程が面白いだけに、萎える原因になるので、もう少し流れを汲んで
    それに見合ったエンディングを考えるべきでした。
    それだけで、名作になりうる事ができたのに残念です。
    その点「デビルマン」なんかは同じバッドエンディングにしても
    潔さと意外性があってよかったです。

    なにぶん読み終わるととても疲れますし、
    精神的ダメージを受ける場合がありますので、
    よっぽどこういう作風が好きじゃない限りは
    読む事をお薦めしません。

    ◇この作品の個人的価値=全10巻で 800円也

  • 60

    cmoa

    「ドラゴンヘッド」の意味は無理に複数こじつけなくてよかったのでは…(-_-;

    普通の少年(にしてはえらく生命力が強い)が壊滅した日本の中で生きのびようとするサバイバルストーリーです。
    テーマを「極限状況下の人間」に絞っているため、脇道が無く読みやすく感じました。

    ただ、日本政府,日本国土の崩壊が具体的に様々シミュレートされる2012年現在、改めて本作を読むと「絵空事だなぁ」と醒めるのは確かです。
    兵器としての核のくだりなどテンプレ以上になっていません。使い古されているネタを使うのであれば「文書」の内容を練らないと。
    例えば生田直親氏の同ジャンル小説と比べると、そうした主要テーマ‘以外’の描写がとても薄い。弱い。

    それで評価は3点にとどめましたが、読み始めると「次は、最後は、どうなるんだろう」と引き付ける力があります。ジャンヌダルクとナイチンゲールを背負ったようなヒロインのキャラクターにも魅力があります。

    子供同士が殺しあう類のサバイバル漫画より、ずっとお薦め。

  • 0

    manga_review

    8巻までは面白かったです。
    しかし9巻で急激にダレて面白くなくなり、このままで大丈夫なのかと
    心配してたが結局10巻でグダグダのまま終わってしまい残念でした。
    画力はそれほど高いとは思えません。雰囲気はよく出てると思いますが、
    じっくり見ると粗っぽい部分が多いです。
    ストーリーにも深いテーマ性やメッセージ性は感じられませんでした。ハッキリ言って、薄っぺらい。

    結局最後に出てきたあの黒幕っぽい男は自分の理想のためだけに、多くの人を犠牲にしたということでしょうか?
    個人的に、それは許されることではないと思います。自分の勝手な理想を抱くのは自由ですが、それを無関係の他人に強要するのは完全に悪です。それが非常に腹立たしい。
    テルはその後謎の組織と戦うことになるのでしょうが、そこまでしっかり描いてほしかった。東京にできた山なんかどうでもいいです。
    面白いところもありましたが読み終えて長い時間が経過した今、この漫画には怒りしか感じないので0点。

  • 100

    amazon

    最後尻すぼみという意見もわかるのだけどこれは作者の狙いではないかと思った。この物語で登場するリュウズがただの生きる屍になってしまうことと、パニックもののストーリーとして初期のトンネルのリアルさから終話に向けてのリアル感の無さ・観念的な結末が竜頭蛇尾を意味している。特に初期のトンネルは丁寧にリアリティを感じられるように話が進むが、脱出後は逆にリアリティの無い要素、狂った要素にどうリアリティを持たせるかという形で話が展開されているように感じた。作者的にはテーマは恐怖と生きる意志であり、それについて1巻から最終巻まで通して書き綴っているわけで、パニック・サバイバル要素はその演出装置でしかないんだと思う。そういう視点で読むと主人公が自分の恐怖と対峙(=生きる意志の発見)するさまが丁寧に描かれておりとても面白い。楳図かずおの14歳にエヴァンゲリオンの碇シンジ(漫画版)を配置したような感じだ。

  • 90

    manga_review

      ネタバレ含んでます。

     素直にはまりました。毎巻でるのを楽しみにまったもんです。トンネルからの脱出、廃墟での自衛隊との攻防、房総半島での攻防。ここまで(7巻ぐらい)はほとんどの人ががおもしろいと思うはずです。
     ただそこから、ハラハラする部分は減ってきて、カーツ大佐のような奴も出てきて、いまいち理解が難しくなります。

     最後も謎は謎のままです。ただそれでいいんだと思います、この作品においては。結論付けたとしてもたかが知れてます。富士山噴火、隕石、核爆弾、巨大地震、どれにしたってチープになります。それよりもこれは極限状態の人間の心理を描いた傑作です。闇に恐怖したり、本能むき出しになったり、精神がおかしくなったり、逆に精神を取り除いたり。自分だったらどうなるか考えさせられます。そしてこれほどのエンターテイメントにできたのはすごい力量だと思います。
     

  • 90

    manga_review

    始終分からないことへの恐ろしさ、意図しないことが起こる恐怖を追及した作品だと思いました。

    ヒトってじれったいほど何を考えてるか分からないし、自分勝手。でも自分自身だって怖いぐらいよく分からない。
    そもそも今起こってること、地震だったのかもよく分からないし、富士山が噴火したのか、秘密にしていた核が爆発したのか、もしかしたら日本だけじゃなく世界が滅びたのか、いっそそれ全部が一斉に起こったのか、何なのかも分からない真っ暗闇。
    とにかく分からないことが起こって、しかも知っていけば知っていくほど、生きれば生きるほど絶望していく。それがありありと僕に伝わってきてハラハラして「あぁ、これが絶望か」って

    でも、どんなに絶望的になっても、テルと瀬戸さんが2人一緒にいるときは、本当に心からほっとするんだよねぇ。なんでだろ?

    いろいろ考えて9点

  • 80

    manga_review

    ラストシーンが抽象的でなにかと評判が悪いですが
    本作の魅力は別の点にあると思います

    極限状態での人間の醜さがきちんと描かれている点はもちろんですが
    過剰なまでに描くことで
    救いを求める主人公を徹底的に追い詰め、絶望を与える
    人類全体が感じる絶望を主人公という存在に矮小化することで
    読者が感じやすくなる構図になっていると思います

    上記のように、どうしようもなく退廃的で破滅的な空気が本作の最大の魅力ではないでしょうか
    表現域が広い漫画という媒体でも、厭世感あふれ、なおかつ救いがないこの作品は
    描ける作家・描こうとする作家が少ないだけに貴重だと思います

    ストーリーを追うことも漫画ですので大切ですが
    エンターテイメントに仕上がってないかと言えば、そんなことはなく
    物語的な謎や盛り上がりもありますし、着地も収まっていると思います