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「めェが捨てた命、この国芳が拾おう」田坂伝八郎は、ひょんなことから浮世絵師・歌川国芳の弟子となる。門下の絵師として頭角を現して伝八には、国芳に言えない過去があった――。岡田屋鉄蔵の描く江戸娯楽時代劇、ここに開幕ッ!!

ひらひら 国芳一門浮世譚 漫画の表紙

ひらひら 国芳一門浮世譚

| 太田出版(出版)

ひらひら 国芳一門浮世譚のレビューが0 件あります

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21件のネット上の評価があります

  • 100

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    春は名のみの月の宵。川に身を投げし浪人者、田坂伝八郎は彼を救った男に新たな名と生を与えられた。その名は伝八、その生は浮世絵師。剣士の宿命、武士の宿業…まとわりつくそれらから、様々な事件を通じ自由になってゆくまでの物語。…なんですが、実のところ伝八は狂言廻しなんですね。普段は猫と戯れているけれど、火事ともなれば一番乗りの江戸っ子で弟子達の面倒見も良い浮世絵の師匠。(13回忌に彼を慕う弟子・孫弟子達が70余名も集まったほど!)そう、この作品の真の主役は歌川国芳(くによし)なのです。後書きの「この暖かく面白い絵を描くのは一体どんな人なのか、それが国芳師匠を描くきっかけでした。調べる程に惹かれ知る程に好きになる。弟子達に愛され慕われた師匠、その魅力的な人となりを本書で少しでも感じて頂ければ幸いです。」が全てを物語っています。パトロンである梅の屋の旦那(有能すぎる!)や内弟子の米次郎(のちの月岡芳年)と言った実在の人物や、大判三枚にすら収まりきらない『宮本武蔵と巨鯨』等の浮世絵を巧みに織り混ぜつつ、最大の虚構『伝八』のキャラクターを屹立させる。『虚虚実実』は見事!の一言。(河治和香さんの『侠風むすめ』でおなじみ、登鯉(とり)さんもチャキチャキの美少女「おとりちゃん」として登場しています。)ちなみに。このタイトルも「(師匠が与えてくれた)別の人生を歩めたならと ひらひらと浮世を漂えたらと…」という伝八の身を切るような告白と、やや平顔だった国芳の渾名が「ヒラヒラ」だった史実の両方にかけているのでしょうね。没後150周年でもあり「国芳」づいている今こそ、続編を切に願います。切に切に願います。p.s.『よく一緒に購入されている商品』に怯まないで!本作品は江戸の人情話です。時代劇や浮世絵が好きなら老若男女問わず超お勧めの逸品ですよ!!p.s.2 (2013.9.29追記)『今、浮世絵が面白い! 6 歌川国芳 (Gakken Mook)』 http://www.amazon.co.jp/dp/4056100985/ に、国芳師匠の逸話(もちろん猫がらみ)が4P掲載されてます。そしてなんと!歌川芳雪(国芳一門きっての美男子。ひらひら作中では孝太郎と呼ばれてます)を題材にした続編『むつのはな』を連載予定とのこと。楽しみです!!p.s.3 (2014.9.2追記)『むつのはな』連載、期待に違わぬ面白さです。『国芳バカ』の芳雪さんが切なくて、もう!もうっ!![...]それはそれとして。半額セールを言い訳にKindle版も購入したのですが、腰巻はもとよりカバー裏まで無いのは超残念です。梅の屋の旦那のモンモンがぁぁぁっ!

  • 60

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     入水自殺しようとしていた田坂伝八郎は、ちょうどその場面に出くわした江戸の浮世絵師・国芳に命を救われる。国芳の弟子「伝八」として浮き世を生き直す彼であったが、その背後には暗い過去が潜んでいるようで…。

     正直期待してたのとは違った作風で、あんまり心底生きている江戸を感じられたわけではなくて…。やはり杉浦日向子やもりもと崇に比べると、どこか表層をなぞっている感じ。
     何といっても皆キャラが立ち具合がものすごいよなあ。国芳は最高に男気に満ち溢れているし、パトロンの梅の屋の旦那は憎いほど出来る男だし、売れっ子大夫は女郎とは思えないほどの風格で、弟子達は皆しがらみなんてないとばかりに浮き世を楽しんでいる。あんまりにも誰もが格好良すぎてぼんくらな私には少々眩しかった。とはいえとても面白い作品だったことは確かで。

     結局この漫画が試みていたのは、国芳の世界を漫画の中で表現することだったんだろう。その豪胆で奇想に満ちた浮世絵の一端であったり、国芳のあけっぴろげな精神性が感じられる物語であったり…。とにかく浮き世を楽しみ、生きたいように生きる彼ら。それはファンタジーなのかもしれないけれど、確かに私が国芳の絵から感じたものがあったように思う。これが国芳なのだ。
     火消しの場面の壮大さや綿密に描かれた刺青の男には国芳の浮世絵の迫力が垣間見えるし、国芳が巨大な鯨とちっぽけな二天様を描く場面なんて物語の重なり方も含めて本当にしびれた。また岡田屋鉄蔵の描く男女は色っぽいよねぇ。このからっとした色気はやはり本業のBLゆえなんだろうか。

     そんな国芳ワールドを存分に楽しんだのだけれど、やはりここで終わるのは惜しいよなあ。いや、物語としてはきっちりケリはついているしここで終わるべきなのかもしれない。でも1巻のみにも関わらず、この少なくはない登場人物達にここまでキャラを立たせちゃってるのは罪深いですよ岡田屋先生笑。それゆえに、何か妙な消化不良感に悩まされることは保証します。

     あと私はこの漫画を読む前に国芳関連の画集等を2冊ほど読んだのだけれども、いやぁこの人はすごいよ。無残とか、エログロとか、奇想とか、そんな現代のサブカルに片足突っ込んだ人たちにはたまらないものがあると思う。というか多分そんなぼんくらな私たちの祖先の一人が国芳御大。「ひらひら」とセットでおすすめ。

  • 100

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     冒頭、主人公が身投げをした川の奔流の場面にひきつづき、火事場の場面が見開きいっぱいに描きこまれ、国芳一門の火消したちの迫力のあるアクションが、またネームが、ページを埋め尽くしているのを見たとき、うわあ、国芳の武者絵の世界! と思いました。 現代の絵師としての作者が、この題材に挑んで、堂々と描きつくした、そんな圧倒的な一冊です。 物語は国芳親方にひろわれた主人公が、いわば国芳一門のひとりとして成長しながらも、その素性が謎で、最後に明かされる、というミステリー仕立てです。 絵師とその工房というのか、絵画集団が起居をともにしている、その賑やかさと勢いを思い切り迫力のある絵で描いています。ドラマも絵に劣らず骨太で、最後までゆるみがありません。 ことに刺青のいなせな火消しの男たちだけでなく、おいらんや芸者もすっきりした粋な線で、色っぽさに流れず、造形的にみごとに描かれているのに、うっとりしました。吉原につれていかれた主人公が初体験をするところも、ギャグなどにぶれることがなく、その絵でもって、真正面からドラマをたちあげています。 「ひらひらと浮き世を漂えたらと・・」ラスト近くの主人公の述懐も身にしみました。政治にくらべればはかないかもしれない絵の世界ですが、あれだけの広範な作風で、怪奇幻想、風景、動物、戯画と描きつくした国芳へのオマージュの言葉として、「ひらひら」は何ともふさわしい。 多士済々の一門の男たちのドラマも奥行きを感じさせられ、何度も読み返しました。 続巻を心から期待します。 

  • 100

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    そう言えば高校の古文の授業で「浮世」には2つの意味があると教えられた記憶があります。「憂き世=辛い世界だという厭世的な意味」と「浮き世=浮いたり沈んだりするものだから楽しく生きようという享楽的な意味」。浮世絵が大衆のための絵画として庶民の間に普及したのは、安価で大量生産が可能な版画という媒体であったことが理由の一つとして挙げられますが、浮世絵がその名の通り「憂き世」と「浮き世」の2つの意味を内包していることも一因でしょう。そして作品には作者の人間性が自然と宿るもので、幕末最大の人気を誇った歌川国芳は優れた人間性の持ち主だったんだろうなと推測できます。何より歌川国芳の作品は150年以上経った今でも、古臭いどころかむしろ現代でも通用する新しさ、ポップさ、凄みを感じさせ、見るものを魅了して止まないのは驚くばかりです。その歌川国芳を題材にした漫画があると知り、本作を軽い気持ちで手にとってみた所、一冊でうまく題材を活かしながら話をまとめ、かつ作者の歌川国芳と浮世絵への、深い理解と愛情が感じられる内容で満足できました。作者の方はBLを主に描かれているそうで、言われてみればと思い当たる点もありますが、それほど気になりません。「先ずは!いざ!!吉原へ!!!」のくだりもありますし(笑。という訳で歌川国芳や浮世絵に興味のある方におススメできる一冊。

  • 100

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    書店でカバーの美しさに惹かれて手に取りました。猫好きなので、歌川国芳の猫の絵は知っていましたが、人物についてはろくに知らなかったので、興味深く読みました。物語に猫は直接関係しませんが、国芳の仕事場にはいつも猫と弟子が入り交じっていた、というだけあって、端々に猫が登場。浮世絵を模写しているのでしょうか? 猫たちの構図、美しいような気がします。カバーに描かれている猫など(・・・後の折り返し部分にいる子です・・・)ポスターにしたいほど愛らしい。訳あって川に身投げした伝八、国芳に命を救われたことから一門に加わり、浮世絵師として新たな人生を歩もうとするが、過去の事件の暗い影が忍び寄り・・・あらすじを書くとシリアスになってしまいますが、国芳と弟子たちの人情味あふれるパワーが炸裂、読後感は爽快です。一冊で読み切りのようですが、もし続きがあるのなら、巻末の、若い頃の国芳のラフな絵、尋常じゃなく男前!だったので、若かりし国芳のストーリーを熱烈希望いたします!国芳と猫に惹かれて手に取った一冊、作者がBLを描かれる方とは知りませんでしたが、そちらも要チェックです。というのも、カバーを外したところのおまけ的なサービスが、ある意味で鼻血モノ・・・

  • 100

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    浮世絵の世界は断片的な知識だけで、良くは知らなかったのですがこの物語、人情噺(はなし)としても素敵なのですが「浮世絵師の一門」を題材にした創作のお話としても素晴らしい。趣味の世界にせよ、セミプロ、プロの世界にせよ、ぜひ創作に携わる人には読んでいただきたい作です。太田出版の『ぽこぽこ』連載で一話と三話だけ読んだ折、あまりに好みの絵(劇画風とまではいかない濃度で、ほどよく細密)でしたので、コミックス化を楽しみにしていました。手にとって改めて、この作者は本当に、国芳が好きでたまらないのだろうなあ……と、読んでるこちらも口元が緩んできます。同性愛や衆道ものにも理解のある方は、同作者のBL作品もおすすめいたします。

  • 80

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    浮世絵で有名な歌川国芳とその門下のやんちゃなお弟子さんたちのドタバタを織り交ぜ、一人の新弟子さんが心を開いていくまでを描いた粋でカッコいい漫画。師匠は言わずもがなですが、お弟子さんでも芳虎とか芳藤とか芳宗は、「江戸東京博物館」の収蔵品検索でたくさん作品が出てきます、ほとんど実在の兄さんたちみたいですが、主人公の伝八は架空の人物ではないかと思います(自信はありませんが、探してもヒットしないので。。。)絵がすごく渋くて、特に年配の男性が味があります。言葉づかいとか、浮世絵の構図やクジラなど、けっこうオシャレで気に入りました。しかし、国芳、めっちゃ粋です。。。

  • 100

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    恥ずかしながら国芳を知りませんでした。読んで、そして、JRの看板にすごいのをみて・・・あれ、本物!と。作家買いですが、ばりばりBLからはいってますので、そちら方面は失望ですが、この方、もとから画力が半端なくて、他のBL作家の恥ずかしいのをみると細かい、絵を見ているだけでも眼福です。クラッシク音楽は某BLから入りました私ですが、この本から、美術展にはまりました(汗)ぱらぱら見ているだけでも価値ある絵で、さらに、人生再生(伝八)の物語が同時進行で親方家業というのもたのしそうだな・・・と、苦労人は違うなと。

  • 100

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    『百日紅』という、北斎を主人公にした漫画があります。とても面白い作品なので、同じ様な作品が他にないか探していたら、この作品と出会いました。大ヒットです。この『ひらひら』は、『百日紅』の続編としても読めます。年代は30〜40年ほど後ですが、北斎の名前も出てきますし、なにより『百日紅』で主要キャラとして出てきた国芳も出てくる!表現者としての葛藤や、江戸の町の生活など、2作品に共通するテーマも根底に流れており、別の作者の作品ではあるのですが、一緒に読むと何倍も楽しめます。

  • 100

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    大変よく作ってある話で、主人公の成長とともに爽やかです。画力もとても高いと思いました!特に身体の描き方が(男女共に)素晴らしい。総身に紋々(イレズミ)を彫った男がすっくと立つ、この江戸の身体。でも、この作品の魅力はそれだけにとどまらずそれぞれ個性的な国芳一門の弟子たちの家族愛のようなきずなと江戸の大人としてのこなれた生き方にあると思います。続編が作られることが決まったそうなのでとても楽しみにしています。

  • 100

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    ぜひこの一冊で終わらず、続編を描いて欲しいです。この本は歌川国芳が拾った伝八の話ですが、周囲の人間も非常に魅力的で、1話1話、確かな画力と表現力で描いています。一人ひとりが生き生きとしており、登場している期間が短くとも、その人となりが分かってきます。読み終わると、これからの伝八や兄弟子、師匠の国芳やパトロンの梅さんなど、まだまだこの人達のことが知りたい、と思うこと間違い無しです。全力でオススメします!

  • 100

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    もともと江戸のスーパーアーティスト国芳が好きだったので迷わず購入。やはり国芳好きな人にハズレは無いっす。優しさをべらんめえでくるんだ粋な男衆がつらい半生を送った主人公を浮世へソフトランディングさせてくれます。登場人物全員でスピンオフ企画できるくらいの丁寧なキャラ設定がいいですねー。(よく顔がのっぺらぼうになっているのも浮世絵風?)楽しかったりつらかったり、浮世を漂っている人たちにお勧めの一冊。

  • 50

    manga_review

    歌川国芳一門のお話。

    面白いことは面白いんだけど
    正直な感想は「え?これで終わり?」

    なんとなく「長編作品の一エピソード」みたいな感じで
    単独作品としてはどうにも食い足りない。

    もし続編とかが発表されたら本作品の評価も変わるかも。

  • 100

    cmoa

    これを読んで、この作家さんにはまりました。
    歌川国芳一門に、仇討ちを果たしたあと入水した武家の男が拾われ、絵師への道を歩き始め…。
    影を背負う主人公ですが、真の主役は国芳師匠です。カッコいい〜!

  • 100

    amazon

    そんなメッセージが随所に入ったとても面白い漫画でした。人物の表情もいい。作者の画力が素晴らしかったです。一人一人がとてもいい味を出していて爽やかな後味を残してもらった。面白いですよ!

  • 60

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    国芳モノを探していて表紙の絵が良かったのと安かったので購入。しかし本編はBL風の絵柄がだめだった。人物ばかり目立って江戸の町が見えて来ない。国芳も作者も猫が好きじゃ無い。

  • 60

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    絵もセリフも素晴らしく、堪能しましたが…みんなカッコいいのは良しとしても、登場人物の顔があまりにも似過ぎていて、なかなか見分けがつかず…すんなり読めませんでした。

  • 100

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    おもしろかったです!この作者さんってBLの人だったので?ぜんぜん知らず、本屋で表紙買い。大当たり!!登場人物が魅力的ですねぇ。続編がよみたーい。

  • 100

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    BLというよりメンズラブの作家ですが、これまた色っぽい題材を描かれたものです。江戸の街の活気、生活、男と女の嗜み、歴史ものとしても楽しめます。

  • 40

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    画力があると聞いて期待してたのですが手がときどきちっちゃいのが気になりました・・・。作風なのかもしれませんが・・・;